駅のトイレから「トイレットペーパーを持ち帰る人」、実は少なくなかった…用具入れから持ち去られた疑惑も“犯人特定”が極めて難しい理由

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ハンドソープまで持ち帰る人も

 なお、具体的な統計こそないものの、窃盗犯の男女比にはどうやら大きな違いはないらしい。そもそも窃盗犯が増加しているのは、社会情勢の影響もあるのではないかと、A氏は推測する。

「トイレットペーパーが物価高のために値上がりしているので、ますます持ち帰られる被害が増えたように思います。なかには、ホルダーに設置されている、使いかけの紙ですら持っていく人もいるようです。

 あと、他の駅に勤務する駅員から聞いた話ですが、洗面台の蛇口の横にある“ハンドソープ”を持って帰る人もいるそうです。なんと、蛇口を何回もプッシュし、“マイボトル”に詰めて持ち帰るのだそうです。そんな時間を考えたら、新しいものを買った方が良い気がしますが……」

 A氏の駅で、トイレットペーパーの持ち帰り、もしくは一度に大量使用される例が多くなるのが、花粉症のシーズンなのだとか。トイレットペーパーを大量に巻き取り、カバンの中に入れて持ち帰る人が確認されているという。どう考えても問題行為だと思うが、注意するのは難しいようだ。

トイレはモラルが失われる空間

 駅構内の施設の中でも、トイレはトラブルが頻発しやすい場所である。用を足したのに流さない。一度に紙を大量に流そうとして詰まらせ、水が逆流して床が水浸しになる。壁にスプレーやマジックで落書きされる。男女が関係をもつ。家庭のゴミを持ち込んで大量に投棄する。いずれもA氏が勤務する駅でこれまで起きてきたことで、しかも一部でしかないという。

 高齢男性がトイレットペーパーを複数個、便器のなかに突っ込み、詰まらせた事例もあるそうだ。これは利用者が目撃し、駅員にすぐ話をしたおかげで取り押さえることができたというが、高齢男性の言い訳が「列車が遅れて腹が立ったから」というもの。あまりに身勝手な理由に呆れてしまう。

 駅員の気苦労は相当なもののようだが、実際、A氏は「はっきり言って、駅のトイレはなくしたいくらい面倒な存在」と話す。JR北海道が、札幌駅の改札外のトイレを2029年度までに廃止すると決定し、ネット上では賛否両論が起こっている。今回のトイレットペーパーの問題とは直接的な関係はないと思われるが、トイレは維持費もかかり、厄介な存在であることは間違いないだろう。

 多くの人に迷惑をかけるトイレットペーパーの持ち帰り問題。解決はかなり難しいようだが、モラルを高めるよう、地道に啓発していくしかないのだろうか。

ライター・宮原多可志

デイリー新潮編集部

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