パチンコの後に「サンダル履き」で高級天ぷらを…「中村玉緒さん」の飾らない素顔

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「お店に気を遣いなさいよ」

「玉緒さんは出したらすぐに美味しそうに召し上がってくれました。揚げたてがお好きなのでしょう。必ず塩で食べていました。卓上に殻入れの丸い器が置いてあるのですが、そこに玉緒さんはエビの尻尾をどんどん入れていく。それがお花のように綺麗に並べていくんです。殻入れが一杯になると、私が取り替えていました」(大木氏)

 会話などはあったのだろうか。

「対面のカウンターなので、『今日はパチンコで負けたんどす』なんて話もしていましたね。でも、仕事の話や勝さんの話は一切ありませんでした。こちらから『玉緒さん、エビ好きですね』なんて言うと、テレビで見るのと同じように『がははは』と笑って、『そうです、私はエビしか食べません』なんて、何の気取りもなく、普通のおばちゃんという感じでした」(同)

 娘の真粧美さんと一緒に来ることもあったという。

「娘さんは普通にいろいろ召し上がりますけど、玉緒さんはエビだけです。娘さんは『もうちょっとお店に気を遣いなさいよ』なんて言ってくださったりしてました。でも、玉緒さんはそれだけ自由に楽しんでいらっしゃったと思います」(同)

京都ではうなぎ

 一方、玉緒さんの地元である京都には、夫のツケを支払うために通い続けた店があった。京都・嵐山にある「うなぎ屋 廣川」だ。勝新は「座頭市」の撮影で京都にいたときには週に一度、10人ほどを引き連れてやってきたという。会計は5万円から10万円にもなった。加えて、店員には1人5000円ほどのチップだ。ただし、現金は持っていなかった。店主は言う。

「チップもうちのレジから出していました。その後、玉緒さんが『うちの勝がいつもすみません』と代金を持って来るわけです。うちのすぐ近所に京都のお宅があったのですが、ご夫婦揃って来店されることはありませんでした。玉緒さんが初めてうちで食事をしたのは勝さんが亡くなられた後のことです。年に一度くらい来られては『主人が食べていたものを』とおっしゃるので、勝さんがいつも注文していた一番上等なうな重と、勝さんオリジナルの卵入りの赤だしを出していました」

 支払いばかりで口にできなかったうなぎへの意趣返しだろうか。

「玉緒さんは店に来ると、近所に住んでいた当時の話を懐かしんでされていました。昔を振り返る様子を見て、本当にずっと勝さんのことが大好きなんだなと感じましたね」(廣川・店主)

デイリー新潮編集部

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