真犯人は「もっちゃん」ではない 「田鎖ブラザーズ」最終回、現場にいた“もう1人の男”の正体
サイレンと鐘がカギ
TBS「田鎖ブラザーズ」(金曜午後10時)が最終回を迎える。まだ解明されていない謎がある。隠し事をしている者、ウソを吐いている者がいるからだ。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】
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31年前に田鎖夫婦を殺したのは、もっちゃんこと茂木幸輝(山中嵩)ではない可能性が高い。また、時効は成立していないと見られる。質店の主で情報屋の足利晴子(井川遥)は隠し事をしている。辛島金属工場の元工場長・辛島貞夫(長江英和)は卑劣なウソを吐いている――。
主人公は神奈川県警青委署刑事の田鎖真(岡田将生)。弟で県警捜査1課検視官の稔(染谷将太)と一緒に両親殺しの真相を追ってきた。
事件の発生時刻は1995年4月26日午後10時54分。神奈川県川崎市の蓬田町にある田鎖宅の1階で就寝中だった父・朔太郎(和田正人)と母・由香(上田遥)が刺殺された。田鎖兄弟は当時、7歳と5歳だった。
事件発生時、稔は2階の子供部屋の2段ベッド上段で寝ていた。だが、消防車のサイレンや鐘の音で目を覚ます。火事が起きたのは朔太郎の勤務先で近所にある辛島金属工場だった。子供部屋の時計は午後10時54分を指していた。
稔がベランダから下を見ると、男が逃げていくのが見えた。事件の発生直後だったことを物語る。それから間もなく田鎖宅前にいた足利晴子(井川遥)がその男に斬りつけられた。
やがて稔が「痛いよ、痛いよ」と声を上げる。稔は左腕から血を流し、2階の廊下に立っていた。真は慌てて階段を駆け下り、朔太郎と由香に報告しようとしたが、2人は死んでいた。これが第1回に流れた真の回想シーンである。
現時点で犯人と見られているのはもっちゃんだ。しかし、もっちゃん目線での回想と真のものでは決定的な違いがある。もっちゃん目線の回想は第9回で流れた。
同4月26日夜、もっちゃんは辛島金属工場から田鎖宅へ行き、消防車が来る前に工場に戻った。このとき、火事は起きていたが、サイレンと鐘はまだ鳴っていなかった。
もっちゃんに田鎖一家を殺すよう命じた工場長・辛島貞夫(長江英和)の計画通りだった。犯行時にもっちゃんは工場にいて、火事に巻き込まれたことにするためである。アリバイだ。
ここで矛盾点が浮かび上がる。真が見た男はサイレンと鐘の鳴る中で逃げていった。真はサイレンと鐘で目ざめたのだから間違いない。稔と晴子を斬ったのもこの男にほかならない。
もっちゃんが田鎖宅に侵入したあと、別の男がやってきたことになる。田鎖夫婦を死に至らしめたのも後から来た別の男ではないか。
そもそも、どうして殺されたのは朔太郎と由香だけだったのか。辛島は自分の銃の密造を朔太郎に知られたため、田鎖家の皆殺しを計画した。もっちゃんへの指示も「あの一家を処理してほしい」(第9回)、「田鎖家を殺してくれ」(同)だった。
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