楽天・三木前監督「休養」の衝撃…実況アナだからこそ気づいた「優勝するプロ野球チームの監督はどこが違うのか」
優勝するチームの特徴
監督それぞれ特性、性格など、すべてが違うので一般論として論ずることはできませんが、共通点は挙げることができると思います。
それは、一人の監督が目指す野球を体現するチーム作りには、最低でも3年はかかるということです。
私が長く取材した中日ドラゴンズでは、2004年の就任1年目に「現有戦力を10%の底上げで優勝する」と公言して、実際に優勝した落合博満氏(72)がいます。これは当時のドラゴンズ選手の力量を冷静に判断し、「持つ力を十分に発揮できていないから勝てない」という原因を突き止め、優勝するためにはどうするかを考えた結論が「現有戦力の10%底上げ」でした。
同じドラゴンズ監督で、11年に優勝を果たしながら監督を辞めた落合氏から引き継いだ高木守道氏のような例外もありますが、新たに任命される監督の大半は、前監督が残した「優勝できない」原因があるチームを率いることになります。
監督、コーチ、選手、スタッフ、チームの誰一人例外なく「優勝を目指して日々戦って」います。そして選手は、誰もが認める技量を備えた一流(プロフェッショナル)です。誰に聞いても「優勝を目指して頑張る」と、言葉では意思統一が出来ているはずですが、にもかかわらずなぜ毎年、首位から最下位まであれほどの差がつくのでしょうか。
個人的見解ですが、これは「優勝する」と文字にすれば同じ目標でも、その目標に向かうベクトルが個々によってバラバラか、統一されているかだと思います。
例えばシーズン開幕から優勝までの道のりを、ドラゴンズの本拠にある名古屋駅(開幕)から、東京駅(優勝)への移動に置き換えてみましょう。
一口に東海道新幹線を使うといっても、1時間40分ほどで到着する「のぞみ」。途中停車駅の数によって到着時間がまちまちの「ひかり」。各駅停車のため3時間はかかる「こだま」、どれに乗るかで所要時間は変わります。車でも東名高速道路、新東名高速道路、中央自動車道、一般道と、どれを選択するかで大きく時間は違ってきますし、さらに稀有なルートとして中部国際空港から羽田空港か成田空港に飛行機で飛んで、電車で東京駅を目指すパターンも考えられます。
この時、「東京駅到着目標時間がはっきり提示されていなかった」から、一人一人が行きたい手段を勝手に選んで東京駅に向かえば、全員が揃うのはいつになるかわかりません。優勝するチームとは、同じ「東京駅へ向かう」際、誰が命令したわけでもなくても全員がそろって同じ手段を使える集団だと思います。
チームの一人一人が「優勝に向かって」日々プレーしていても、勝ちが先行すればベクトルが同じ方向に向かって集約されていきますが、負けが先行すれば「優勝したい」という思いが強いだけに、個々が「今、なんとかしなければ」ともがき苦しみ、結果としてそのベクトルはバラバラになってしまうのです。
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