「習近平」が「金正恩」に“完敗” 7年ぶり訪朝でも「朝鮮半島非核化」に言及ゼロ…ロシアと蜜月「北朝鮮」を制御できず、影響力は低下へ

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活気をおびる経済

 近年の北朝鮮は、ロシアと蜜月にある。

 北朝鮮経済は2022年のウクライナ侵攻以降深まったロシアとの軍事協力によって上昇カーブを描いている。北朝鮮はウクライナ戦争に兵力と弾薬を提供し、見返りとしてロシアから食料や石油など緊急に必要な物資を得ている。

 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」は、北朝鮮の経済がロシアへの武器販売と派兵などに支えられ、活気を帯びていると報じている。WSJは最近、北朝鮮を訪れた外国人の証言や衛星写真、韓国シンクタンクの報告書などを基に、北朝鮮の経済が新型コロナウイルス感染症の収束後、予想外の回復傾向を示していると伝えた。特に、金総書記とエリート層が居住する平壌では消費とサービス、建設分野の変化が顕著だという。

 平壌では最近、スマートフォンでタクシーを呼び出すアプリとモバイルのQRコード決済サービスが登場した。ペットショップやインターネットゲームカフェ、高級自動車の販売店もできた。建設事業にも拍車がかかっており、昨年、新しい住宅1万戸が建設された。平壌以外でも病院や温室団地、ビーチリゾート、工場の建設が進行中だという。

武器販売で1兆円超

 韓国国家情報院傘下の国家安保戦略研究院は、北朝鮮がウクライナ戦線に弾薬と兵力1万5000人以上を送ったほか、2023年夏から昨年末までロシアへの武器販売で100億ドル(約1兆6000億円)以上を稼いだと推定している。また、ロシアとの軍事協力を通じ、機密性の高い軍事技術や武器の部品、各種物資も得ているいると分析している。

 これまで北朝鮮は中国への経済依存度が高かったが、近年はロシアから外貨を稼いでおり、かつてのような“中国頼み”から脱却している。一方、中国では経済不振の深刻さが伝えられており、「ウクライナ戦争特需」ともいえる北朝鮮経済の上昇カーブが今後も続いていくことが見込まれるなか、中国企業が対北投資を活発化させているとの報道も出ている。経済的にも、中朝両国の立場は変化しつつあるようにもみえる。

露朝自動車道の開発

 今回の首脳会談では、中国が熱望する開発計画についても議題に上らなかったようだ。

 先立つ5月に行われた習氏とロシアのプーチン大統領による中露首脳会談では、中国吉林省から北朝鮮とロシア国境を流れ日本海に注ぐ国際河川、図們江(中国名・豆満江)流域の経済開発について、北朝鮮を含む三者協議を継続することを確認した。これは、中朝露3カ国が同江流域を開発し、日本海への新たな物流・戦略ルートを構築しようという一大プロジェクトだ。今回の中朝首脳会談でも話し合いが行われるとみられていたが、結局、本件についての発表はなかった。

 すでに、ロシアと北朝鮮は国境を流れる図們江に架かる両国初の自動車専用道路橋の連結を4月に完了し、6月中の開通に向けて仕上げの段階に入っている。露朝の自動車道路建設は2024年に締結された両国の「包括的戦略パートナーシップ条約」の合意に基づいて進められたプロジェクトだ。

 橋の全長は約1kmで自動車道全体の延長は約4.7km。総工費は約1億1500万ドル(約183億円)。開通後は 1日に約300台の産業用車両と数千人の往来が可能になると見込まれている。両国の国境にはこれまで1959年に開通した鉄道橋しか存在していなかったが、自動車道路橋の開通により、これまで鉄道に依存していた物流や人的往来が大幅に拡大することが予想されている。平壌・モスクワ間を結ぶ鉄道路線に加えて、自動車道路で両国がつながることになり、軍事などの安全保障を含む政治的な結びつきも一層強固になるのは確実だ。

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