〈栃木強盗殺人〉竹前容疑者夫妻は死刑にならない? 専門家は「今の刑法だと現場にいないボスの罪が軽い」
「早い段階で肝を冷やさせる」
刑法が専門の東京都立大学教授・星周一郎氏は、
「今回の栃木のような、凄惨な結果を招く強盗殺人をさせないための刑法が重要だと考えています。現行法では、準備段階で予備罪での検挙ができるのは、強盗のほかは、殺人などごく一部に限られています。例えば怪しい人物が強盗の下準備でウロウロしていても、“犯罪の準備ではない”などと言い逃れされてしまえば、取り締まりが難しい場合があります。詐欺や窃盗も含めてトクリュウ型の犯罪を想定した予備処罰規定を整備して、より早い段階で未然に抑え込むことが重要だと考えています」
予備罪の適用は、トクリュウ型犯罪の実行犯になるような少年たちにも“抑止力”を発揮するという。
「例えば強盗現場に足を運べば、自分に殺意はなくても、もし共犯者が被害者を殺してしまえば、その共犯となります。ならば準備段階で検挙して、“お前は危うく一生を棒に振るところだったぞ”と諭すべき。予備罪であれば最長でも2年の拘禁刑です。早い段階で肝を冷やさせることで、被害を生まないだけではなく、加害者になりそうな少年たちの更生や社会復帰の道を絶たずに済みます」(同)
「SNSのキラキラした世界にハマるためのカネが欲しい」
また、こうも指摘する。
「闇バイトに応募して犯罪に手を染める若者の多くは、体の調子が悪くて働けないとか、ヤングケアラーのような人たちではありません。SNSのキラキラした世界にハマるためのカネが欲しいといった価値判断で動いている。成功しているインフルエンサーの苦労や炎上リスクといった裏側の現実を顧みず、成功した一面しか見ていません。刑罰を重くするのみならず、大人たちがSNSはファンタジーでフェイクの世界であるということを、しっかり教えないといけないと思います」
栃木の事件で逮捕された少年の中には、取り調べで後悔の念を口にする者もいるという。
彼らを使い捨てにした黒幕を、警察は追いつめることができるのか。
前編では、トクリュウの実行犯を勧誘する手法の変化などについて報じている。
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