〈栃木強盗殺人〉竹前容疑者夫妻は死刑にならない? 専門家は「今の刑法だと現場にいないボスの罪が軽い」
「少年の死刑があり得る、という規定はあっていい」
22年に改正少年法が施行されて、18~19歳を「特定少年」として、原則、成人と同じように処罰することになった。
「少年法の改正議論では、16~17歳について成人と同様に扱い厳罰化を求める意見と、少年法の趣旨に沿って更生の余地を考える必要があるという意見に分かれました。そのような二つの考えが合わさって、18歳未満の少年は成人に対する刑罰よりも減刑する、という折衷案的な形に落ち着いたのです」(若狭氏)
栃木の事件で捕まった少年たちは強盗殺人の罪を犯しているので、「死刑」にしないと被害者やその家族の無念が晴れない、少年犯罪の抑止力にならないとの声がちまたにはあるが、若狭氏はこんな意見だ。
「すでに改正時に相当議論されて現行の少年法に落ち着いたので、16~17歳の少年に厳罰を下せるよう、さらに少年法を改正するハードルは高いと思います。ただ、本当にとんでもない凄惨な犯罪を起こしたら、死刑もあり得るという規定はあってもいいと個人的には思います。法律上で死刑は禁止されているとなれば、それを利用して犯罪行為をさせる大人が出る恐れがあるのではないでしょうか」
「言い訳が通用しないようにした方がよい」
片や今回の事件で“指示役”とされる竹前海斗容疑者(28)・美結容疑者(25)夫妻を死刑判決にするにも高い壁があるという。
「実行犯として手を下していなくても、少年らに指示をして犯行を自分たちの思い通りにやらせたとなれば、共謀共同正犯になる。その際、夫妻の量刑は少年たちに殺害を指示したのか否かで変わってきます」(若狭氏)
夫妻が少年たちに殺害までは命じていないと主張すれば、「強盗致死」となり無期拘禁刑となってしまうという。
『闇バイトの歴史 「名前のない犯罪」の系譜』の著者で、トクリュウ型の犯罪に詳しいライターの藤原良氏に聞くと、
「暴力団対策法には、組長に対する『使用者責任』があります。組員が犯罪行為をすれば組長が監督責任を問われて処罰される。この図式をトクリュウにも当てはめれば、指示役はもとより黒幕のボスなどにも厳罰を求めることができます。今の刑法だと実行犯が最も罪が重い。指示役、その上にいるボスは現場にいないし、お金も盗っていないため罪が軽い。逮捕されても“僕は現場にいませんでした”“指示しただけです”などの言い訳が、通用しないようにした方がよいのではないでしょうか」
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