なぜ少年たちはトクリュウにかくも簡単に騙されるのか? 「今の若者はTikTokしか見ない。いくら啓発をしても…」

国内 社会

  • ブックマーク

 5月14日に栃木県上三川(かみのかわ)町で発生した強盗殺人事件は匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)によるもので、実行犯4名はいずれも16歳の少年だった。その日のうちに逃げ遅れた1名、翌15日にもう1名、16日に残りの2名、17日には指示役の夫婦が逮捕。警察の本気度はもちろんだが、成人なら死刑か無期禁固刑という非常に重い犯罪を犯しながらあっけなく逮捕されてしまう杜撰さに呆れた人もいるだろう。

 ***

 そもそも上三川町の現場周辺では、4月中旬から不審者や横浜ナンバーの不審車両、ナンバープレートが折り曲げられたスクーターなどが目撃され、警察も注意を呼びかけパトロールを強化していた。不審車両の写真が回覧板で回されるほど警戒されていたのだ。

 そんな地域に実行犯たちは現れた。社会部記者は言う。

「指示役とみられる竹前海斗容疑者(28)と妻の美結容疑者(25)、そして実行犯の少年4名は、犯行当日、高速道路のサービスエリアで合流。少年たちは貸し与えられた白いBMWに乗ってきたようです」

 無論、無免許である。しかも、目立つ。そこから現場へと向かうのだが、人目につきやすい午前9時頃、被害者宅の付近では、目出し帽を被り、上下黒の服を着た男を見かけたという証言がある。

「見かけた住民に、その男は『頑張ってきます』と臆面もなく言っていたそうです」(社会部記者)

 事件が起こったのはそれから20分後だった。民家に押し入った少年たちは金品を物色。住人の69歳女性を殴打した上、凶器で20カ所以上を刺して殺害した。さらに、悲鳴を聞いて駆けつけた女性の息子たちをバールで殴って骨折させ、飼い犬も殺して逃亡。もっとも、車で逃げたのは2名だけで、1名は駆けつけた警察官に歩いているところを発見され逮捕。もう1名はヒッチハイクで近くの駅まで移動後、電車で帰宅。その後、次々と逮捕されたのは前述の通りだ。まさに行き当たりばったりの犯行と言わざるを得ない。

使い捨て

「トクリュウの多くでは、逃走経路の準備など練られていません」と指摘するのは、少年事件に詳しい警察関係者だ。一生を棒に振る可能性もあるというのに、なぜ計画を練らないのだろう。

「指示役からすると、実行役は使い捨てです。たとえカネが回収できなくてもしょうがないな、と思う程度なんです」(警察関係者)

 いくら使い捨てと言っても、それで実行役を確保できるのだろうか。

「だから実行役は、未成年や20代、30代と若い子が多くなる。いわゆる“闇バイト”というわけです」(同前)

 闇バイトが割に合わないことは警察も広報してきたし、散々報道もされている。それでも勧誘できるのだろうか。

「もちろん、勧誘の際は捕まらないことを強調するわけです。『昨日も叩き(強盗)やってきたけど、捕まってないでしょ』『万が一、捕まっても未成年だから名前も出ないし、刑も軽い』などと言いつつ、贅沢している自分のSNSを見せつけて『俺、こんないい生活してるんだぜ』なんてことを言うわけです」(同前)

次ページ:報道とは違うから

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。