“不法就労”通報で報奨金 茨城県の新制度は「“見た目”だけでの通報はお断り」

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人手不足

 不法就労の外国人を雇用する事業者を見つけて通報すればお金が払われる「通報報奨金制度」が、茨城県でスタートした。逮捕・送検に至るケースでは1万円が支払われるというものだ。県は今年度予算案に20万円を計上している。

 県政担当の記者が言う。

「同制度を導入した背景には、茨城県の不法就労の外国人が全国で一番多いという事情がありました(昨年は3518人)。この不名誉な事態に対して、大井川和彦知事が打ち出したのが、通報報奨金制度だったのです」

 ちなみに出入国在留管理庁でも、不法滞在者に関する情報提供の窓口を設けているが、茨城県の対象は雇う側、つまり事業者である。そして、報奨金がもらえる。

 不法滞在者の事情に詳しいジャーナリストの安田峰俊氏によると、

「東京に近い茨城県中南部は、農産物などの食料供給地帯となっています。野菜や果物の収穫期ともなれば、猛烈に忙しくなりますが、農閑期は逆に人手が要らない。そこでドロップアウトしたベトナム人やカンボジア人の不法滞在者が、パートタイム的に働くようになった。また彼らのネットワークを頼って、さらに不法滞在の外国人が集まるようになってきたのです」

塩対応

 同制度がスタートしたのは5月11日。1週間が過ぎて、どれほどの“タレ込み”が集まったのだろうか。4月に「週刊新潮」がこの問題を取り上げた際には、不法就労に関するリアルな証言や目撃談も紹介している。

 だが、茨城県に聞くと、

「報奨金制度の窓口に何件の通報が寄せられたのかについては、公表しておりません。報奨金の対象となったケースがあったかどうかについてもお話しできることはありません」(労働政策課外国人適正雇用推進室)

 と、つれない塩対応。これでは折角の新制度が奏功しているのか分からないではないか。

 同制度の運用には気になる部分も。ガイドラインを見てみると、こんなルールが書いてある。

〈〇外国人労働者に関する通報は受け付けません。〇特に、見た目、国籍など、単に労働者個人の属性のみを理由とする通報は固くお断りします〉

 また、通報者はマイナンバーカードなどの写しを提供しなければならず、通報を抑制しているようにも取れる。

 先の安田氏が言うのだ。

「通報報奨金制度がヘイト(憎悪)になって暴走するのを避けたいのでしょう。政策自体は悪くありませんが、“密告制度”みたいな荒事にはしたくないという思惑があるのかもしれません」

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