改札から駅員の姿がどんどん消えていく…「東京メトロ」で増加する“駅係員不在”の運用は何をもたらすのか

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東武鉄道の券売機が迷走中

 鉄道会社は様々なIT技術の導入に本腰を入れている。例えば、改札に顔認証技術を導入し、スムーズに通過できるシステムを取り入れようとしている鉄道会社もある。現在はそうした技術を導入する過渡期にあるが、そのせいで従来の使い慣れていたシステムが急に変更され、戸惑ってしまうケースが相次いでいる。

 東武鉄道では、紙の切符を発券する券売機が使いにくくなったと話題になっている。今まで、紙の切符(磁気乗車券)を買うときは、券売機の画面をタッチすればすぐに160円、200円という料金が表示された。そのボタンを押して、切符を購入する仕組みだった。

 ところが、昨今、降車駅名(行き先の駅名)をわざわざ入力しなければ切符が買えない仕組みに変更された。例えば、浅草駅で北千住駅行きの切符を買う場合、「き」と入力すると、北千住、北越谷、北春日部などの駅名が表示されるので、そこから「北千住」を選ぶのである。どうやら、最近になって画面の右下に「金額から選択する」というボタンが追加され、従来通りに金額からも選べるようにもなったらしいが、画面をタッチする回数が1回増えたことになる。

 東武鉄道は今後、QRコードが印刷された紙をかざすことで改札を通過できる「QRきっぷ」を導入すると発表しているが、その過渡期ゆえの混乱なのであろう。

利用者の切り捨ては正しいのか

 急なシステムの変更は高齢者が戸惑う場面も見られ、「使い慣れていたものが急に使いにくくなった」と不満の声が出ている。おそらく、地下鉄や首都圏近郊の私鉄の利用者の多くは、SuicaやPASMOのようなICカードを利用しているはずだ。その利用率は約90~95%ともいわれており、紙の切符を買う人は10%以下と、少数派になっている。

 JR東日本が進めたみどりの窓口の廃止も、窓口で切符を買う人が2020年度には約20%まで低下していたことが背景にあった。これを機に、チケットレス化を一気に進めようと考えたのであろう。しかし、その目論見は大きく外れ、利用者から批判が相次いで大失敗に終わり、窓口廃止をいったん中止することになった。

 鉄道はいくら民営とはいえ公共交通機関なのである。バリアフリー化の工事や、ユニバーサルデザインに即した施設に改修を進める一方、ICカードの使い方がわからなかったりスマホを使えない利用者を切り捨てる取り組みは正しいのだろうか。鉄道会社は不動産事業に注力する一方で、その利益を鉄道に還元していないようにも思える。

 ロボットやAIの実用化にはまだまだ時間がかかりそうで、その間は人手が必要になるのは間違いない。システムの変更を急ぐことは利用者の不満を高めるだけで、利便性の低下を招く。こうした勇み足が、鉄道離れを進めそうな気がしてならない。

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