改札から駅員の姿がどんどん消えていく…「東京メトロ」で増加する“駅係員不在”の運用は何をもたらすのか

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 観光からビジネスまで、都心の移動に欠かせない地下鉄9路線を管理・運行する「東京メトロ」の駅で、改札に配置されていた係員がどんどん削減され、無人化が急速に進んでいるという。利用者が比較的多い駅であっても、2ヶ所以上の改札がある場合は、いずれかの改札で長時間にわたって係員が不在になるという運用が増えているようだ。

 東京メトロの場合、利用者の多くがICカードを利用するため、改札の係員は不要に思えなくもない。が、本当にそれで問題がないのだろうか。【取材・文=宮原多可志】

改札の係員を削減して、本当に困らない?

 JRグループの改札はゴールデンウィークやお盆、年末年始の帰省シーズンに混雑し、係員がいる窓口に切符の確認や乗り越し清算を求める乗客が押し寄せ、行列ができることが多い。JRの場合は乗車券のほかに特急券や指定席券などが存在し、切符の枚数が多いうえ、経路や運賃計算が複雑なため様々なトラブルが起こりやすいため、大きな駅の改札では係員が必須である。

 その点、東京メトロの乗車の取り扱いは、JRほど複雑ではない。観光客も長距離の移動を行うことは少なく、料金体系もいたってシンプルだ。観光客のほかには通勤・通学などに利用する、定期券の利用者が中心である。乗り越し清算なども、基本的にはホームにある券売機などで対応できるようになっている。そのため、東京メトロの利用者は、別に係員が不在でも問題はないと思うかもしれない。

 ところが、近年は政府の政策のもとで外国人観光客が急増した。無人になった東京メトロの改札では、何かトラブルが起きた際はインターホンを押して係員を呼び出し、マイク越しに話をする形になる。その扱い方がわからないのか、外国人観光客が窓口で途方に暮れている光景を何度か目にしたことがある。

 公共交通機関は国籍を問わず様々な乗客が利用するため、トラブルはつきものだ。急いでいるのに、係員が不在のため、普段より解決するのに時間がかかってしまったという人もいる。係員がいなくなった影響か、改札には貼り紙の枚数ばかりが増え、なにを見ればいいのかわかりにくくなっている。どんなにデジタル化が進んでも、紙というアナログは健在だ。

 また、無人であるのをわかったうえで、改札を突破しようとする人はいつの時代もいる。無人化が進むことで、そうした不正を増長させないかという不安がある。子供用の切符を買い、不正乗車しようとする人もいると聞く。以前はこうした不正は係員が監視し、その都度対応していたが、無人では十分な対策を取るのが難しいのではないだろうか。

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