オーボエから転向、“クロマチックハーモニカ”の奏者に? 南里沙が語る「ネットでの偶然の出会い」

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体格に関係なく音が……

 大阪にクロマチックハーモニカの先生がいると知って訪問し、クロマチックハーモニカを買ったのは忘れもしない2008年2月8日。実際に吹いてみると、さらに音色への思いも深まった。

「ハーモニカらしい音もある。日本人ならどこか懐かしさを感じさせる音色です。哀愁もあり、新しい響きもあり。バイオリンのようにもサックスのようにも聞こえる。何ならオーボエのようにも聞こえる。そう、音色が変わる楽器なんです。吹けば吹くほどその印象は強まりました。そこにますます惹かれましたね」

 ピアノやオーボエと比べての「納得感」もあったようだ。

「私は手が小さく、ピアノを演奏するにも難しく感じていて。オーボエなら肺活量も必要です。クロマチックハーモニカで、初めて骨格や体格、体や手の大きさなどに関係なく演奏できる楽器に出会えた、と感じたんです。ハーモニカはどんな人でも演奏できる楽器といえます」

 娘が突然選んだ新たな楽器に、両親も「いいじゃない」と背中を押してくれた。高価なオーボエに比べれば、手に取りやすい価格の楽器でもあった。もちろん、ピアノやオーボエの経験が無駄になったわけではない。

「ピアノやオーボエでの経験がなかったら、今の南里沙の音は出せてなかったと思います」

 オーボエなどに比べると、音も出しやすかったという。音色のコントロールは困難を伴う作業だが、大変というよりは楽しい思いが勝った。

「父に聴かせるため」に始めたYouTubeが上達につながる

 楽しみながら演奏していた理由のひとつにYouTubeがあった。

「父が当時、単身赴任で東京に行っていたんですよ。『ハーモニカはこんな音が出るんだよ』というのを父に伝えたくて、それならYouTubeだ! と思って。演奏した動画をアップしていったんです」

 ハーモニカを始めた当初から、自分の演奏の様子を写真に収めスライドショーにしていたこともあり、YouTube撮影に抵抗はなかったという。

「YouTubeで自分の演奏を聴いてそれを改善して……というのを繰り返していったことが、上達の速さにつながったのかなとは思います。自分の演奏を俯瞰することができるんですね。ここをもうちょっとこうやって演奏したかったな、というようなことが見えてくる。ならば今度はこう吹いてみようか、とかの繰り返し。最初は誰も見てくれず、再生回数が10回とか。家族だけが聴いて『良かったね』という感じだったんですけど、気が付いたら海外の人からもコメントが入るようになって」

 今もYouTube上に過去の演奏を残してある。今聴くと我ながら「ちょっと」と思う演奏もあるというが、

「昔は昔でいい演奏をしていたりもするんです。で、今、その演奏ができるかというと、逆にその味が出ない場合もある。だからこそ動画を残しているのですが、ハーモニカって上手下手じゃないな、と思うことがすごく多くて」

 次第に再生回数が増え、メジャーデビューの機会が訪れる。2013年のことだった。

 ***

 ピアノ→オーボエに続いて手にしたクロマチックハーモニカ。第2回【アジアで優勝、プレイヤーから審査員に 朝ドラでも流れた南里沙のクロマチックハーモニカ】では、メジャーデビュー、その後の朝ドラで流れた自身のクロマチックハーモニカなどについて語っている。

デイリー新潮編集部

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