「最近はうつろな感じで、あいさつしても何の反応もなかった」 21人を死傷させた運転手 近隣住民が目撃していた“事件前の異変”【磐越道バス事故】

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【全2回(前編/後編)の前編】

 GW最終日にもたらされた痛ましい報せである。部活動の生徒を乗せたマイクロバスが磐越道で大破、1人の生徒が亡くなった。学校側とバス会社、それぞれの不作為で若い命が奪われてしまった格好だが、実は逮捕された当の運転手は「危険人物」として知られていた。

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 事故があったのは5月6日の朝。新潟市にある私立北越高校のソフトテニス部員20人を乗せたマイクロバスが、対外試合のため福島県富岡町に向かっていた。

「バスは郡山市内の磐越道上り線の道路脇ガードレールに衝突して大破しました。ガードレールは車両前方から後部まで突き抜け、反対車線に投げ出された3年生の稲垣尋斗(ひろと)さん(17)が亡くなり、後続車を含めて20人が重軽傷を負いました」(全国紙デスク)

「ボンネットがひしゃげた車が」

 北越高校から車の手配を依頼されたというバス会社「蒲原(かんばら)鉄道」は6日夜の会見で“今回は予算の都合で(事業用の緑ナンバーの)貸し切りバスではなくレンタカーを使いたい”と学校側から話があり、併せて運転手の手配も求められたと説明。一方、7日夜に会見した高校側はこれを否定。同社のバスと運転手が手配されると想定し、遠征の終了後に料金を支払う予定だったという。

「双方の言い分は真っ向から食い違い、しかも、7日に過失運転致死傷容疑で逮捕された運転手の若山哲夫は、蒲原鉄道の営業担当者も面識のない“知人の知人”でした。さらにレンタカー業者に提示した免許証は、若山ではなくこの担当者のものだったと判明。若山は、旅客運送に必要な二種免許を所持していませんでした」(同)

 ずさんな運行が、惨事を引き起こしたともいえよう。

「現場の制限速度は80キロだったにもかかわらず、若山は“90~100キロほど出していた。見極めが甘かった”などと供述。福島県警は、無許可で営業運行したとする道路運送法違反の疑いも視野に捜査を進めています」(同)

 会社側は、若山容疑者の持病や事故歴などを「把握していない」と説明。事故後に入院していた若山容疑者も、民放の取材に「(これまで事故は)起こしたことがない」などと語っていたのだが、まったくの虚偽だった。

「若山は、この数カ月の間に複数の交通事故を起こしています。直近の5月1日をはじめ、物損事故ばかりで大事には至りませんでしたが……」

 そう明かすのは、さる交通関係者である。実際に、新潟・胎内市にある若山容疑者の自宅の近隣住民が言うには、

「若山さんの家の隣が医院の駐車場になっているのですが、ここにGWのある日、ボンネットがひしゃげた車が置かれていました。車はその後、若山さん宅の敷地に移されていたのです」

 これと前後して若山容疑者は、周囲に「免許を返納したい」などと心境を吐露していたという。

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