「一流企業出身の高齢男性」が周囲に距離を置かれてしまう理由…定年退職してだいぶ経つのに「名刺を持ち歩く」のはなぜか
定年後にも「名刺」を持って酒場で配る
正直、この男性に現時点ですさまじき権力とパワーはもはやないだろう。だが、自身の過去の威光をなんとしても人々に伝えたいのである。その様を私は限りなく愛おしく感じてしまう。そして話が終わったら「無理しないでいいですよ。あなたはすでに素晴らしい実績があるから、これ以上何もしないでいいです。楽しく生きてください」と伝えたくなってしまうのだ。
こうした方々はたいてい、定年してだいぶ経つにも関わらず、現役時代を忘れられないのか、名刺を持っていることが多い。そしてその名刺には「元〇〇自動車勤務」やら、「気象予報士とFPの資格あり」などと、経歴がびっしりと印字されている。
そんな名刺を眺めていると、これは「反面教師」になるなと感じてしまう。もっとも私自身は単なる野良フリーランスのライター・編集者のため、自慢できることなどないし、キャリアでドヤ顔はできない。
だが、大企業の重役を務めあげ、定年退職した自分の友人らが、将来同じようなことをしてしまう可能性は大いにある。そんな場合は、「お前、みっともないからやめろ」ぐらいの助言はしたいな、と考えている。何しろ昔の威光を自慢することほど他人の目から見て痛々しいことはないからである。
これから人口のボリュームゾーンたる団塊ジュニア世代が高齢者になる。その中には、「ワシは就職氷河期に一流企業に入れた」「ワシは激動のIT化の時代にSEとして大活躍をした」などと言いたくなる人も出てくるだろう。だが、本当にそのような言動はやめた方がいい。バイトとして飲食店で働いていると、その手の人が他の客から歓迎されることは一切ないということがよく分かるからである。




