「台湾有事」発言から半年 中国で加速する日本企業の投資縮小・撤退 慌てる「習近平」は外資撤退「妨害策」を発令し

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悪化する中国経済

 中国企業の業績は悪化の一途を辿っている。5月7日付日本経済新聞によると、中国の上場企業の2025年12月期の純利益は3年連続で減少しており、これは2000年以降では初めてのことだ。最終赤字だった企業は1458社と、過去最悪だった2024年から100社近く増え、全上場企業におけるその比率は27%と3割に迫っているという。

 このような状況のなか、外国企業が中国から撤退すれば中国経済への打撃が大きくなるのは必至だけに、今回のサプライチェーンに関する規則の施行は外資を何とか引き留めようとする意図が見え隠れしている。

 このため、同規則について、在中国アメリカ商工会議所の会長マイケル・ハート氏は米紙「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューに、「中国は外国企業からの調達を減らしてもいかなる処罰もほとんど受けないが、外国企業が中国への依存を減らした場合、中国当局の調査(と処罰)に直面する可能性がある」とその不公正さを主張し、「最新の規則を起草する際に外国企業と協議を行わず、外国企業に法的リスクを加えることは中国当局にとって逆効果になる可能性がある」と指摘している。

 また、在中国欧州連合商工会議所のイェンス・エスケルンド会長も声明を発表し、「明確かつ透明な法的手続きが欠如している」と批判している。

外務省は抗議

 日本でも、外務省が同規則に対し、「産業・サプライチェーンの不透明性や経済安全保障を名目とした恣意的な規制拡大、特定企業への巨額支援など、政府による介入が企業の自由な経済活動を妨げる」などとして抗議の意を示し、規即の撤回や修正を求めている。

 米国のベッセント財務長官が今月11日から日本を訪問し、高市首相や片山さつき財務大臣などと会談する方向で調整が進められており、中国の同規則への対応について話し合われる可能性もある。また、トランプ米大統領は13日~15日に中国を訪問し、習近平国家主席と会談する予定だが、日本政府はそれに先立ち日本への立ち寄りを要請してきたといわれる。いずれにしても、ベッセント財務長官も米中首脳会談に参加することになっており、「サプライチェーン規則」問題が首脳会談の場で話し合われる可能性も捨てきれない。

 中国に進出する日系企業の動向について、今後とも注視することが必要である。

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相馬勝(そうま・まさる)
1956年生まれ。東京外国語大学中国語科卒。産経新聞社に入社後は主に外信部で中国報道に携わり、香港支局長も務めた。2010年に退社し、フリーのジャーナリストに。著書に『習近平の「反日」作戦』『中国共産党に消された人々』(第8回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞)など。

デイリー新潮編集部

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