“日本の結婚式を一変”させた「ダイアナ・フィーバー」を振り返る! 悲劇のプリンセス“日の丸ドレス”も披露した初来日から40年

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先ずは“そっくりさん”が来日!

 実はダイアナ・フィーバーの予兆は、既にこの年の初めからみられた。

「あ! ダイアナ妃だ!」

「えっ!? 本当だ! チャールズ皇太子も!」

 1月の東京での光景である。確かにどう見てもそのご両人だったが、実はこちら、世界でも有名だった2人のそっくりさん。チャールズ似の方は、ポール・デグナン(26)といい、ロンドンで地理学を専攻する学生。ダイアナ似の方は、こちらもロンドン生まれのジェリー・ウールドリッジ(26)。主婦で4年前、24キロのダイエットに成功すると、ダイアナ妃にそっくりになったという。2人は日本テレビの招きで来日。1月25日午後8時、同局が放送した特別番組「華麗なるダイアナ妃のすべて」に出演した。同番組の中で、2人は、5月にダイアナ妃が訪れるで“あろう”日本の名所を先んじて訪問、紹介していた。

 来日4ヵ月前でこの状態である。月を追うごとに国内は盛り上がって行った。“ご訪日記念”と称して、テレホンカードや記念硬貨の発売はもちろん、雑誌も「プリンセス・ダイアナ百科」(ジャテック出版)、「ダイアナ妃のすべて」(光文社)などが来日に先駆けて出版。「日本中央競馬会」が、ダイアナ妃とチャールズ皇太子の写真を前面に訪日歓迎の広告を出している。何かと思えば、「サラブレッドを、ありがとう」との御礼文が大書きされていた。サラブレッドは、イギリスの品種である。

アニメ化も!

 更に凄かったのが、夫妻の来日に合わせた有名デパートの“英国推し”だった。「英国フェア」(三越)、「ブリティッシュ・ウィーク」(伊勢丹)、「ダイアナ『ファッション&ポートレート展』」(東急百貨店)……わけても西武百貨店(渋谷)は、2人の婚礼の際の高さ2.7メートルのウェディングケーキを300万円かけて再現した。もし、ダイアナ妃が来店すれば、その模様が世界に伝わり、「日本のデパートと言えば~だ!」ということになるという、いわばパブリシティを兼ねての激しい招致合戦だった。

 この栄誉を得たのは、三越日本橋本店だった(5月11日午前中、夫妻で来店)。当時、同店にイギリスの有名デパート「ハロッズ」が入っていたことや、同店のシンボルとして正面入口にある、有名なライオンの像もモノを言った。実はこの像、イギリスの有名観光地、トラファルガー広場にあるライオン像を模したもの。イギリスとの関係はそもそも深かったのである。1983年にはチャールズ皇太子の妹であるアン王女も、三越を訪れている。

 そしてテレビだ。来日の瞬間(5月8日。19時39分)は、TBSとテレビ朝日がゴールデンタイムに生中継し、その前後にも各局、特番で対応した。差異を出すためか、ダイアナ妃がアニメ化される番組まであった(4月29日放送、TBS「麗しきロイヤルカップルの素顔」。5月1日放送、日本テレビ「華麗!ダイアナ妃のすべてみせます」)。前者は短めに挿入されるレベルのアニメではあったが、あの「まんが日本昔ばなし」の市原悦子、常田富士男のコンビが声優を担当している。

 来日中の13日に予定されていた、経済5団体主催による夫妻歓迎昼食会には、過去最高の600人以上の出席希望があった。「いつもは海外のVIPが来ても200人前後なのですが。それに今回は、いつになく招待状の返事が来るのが早かった(苦笑)」とは、主催者側の述懐である。

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