身に覚えのない30万円のクレカ請求、“犯人”は中学生のわが子だった…親なら今すぐ知っておくべき「デジタルお金トラブル」の実態【FPが助言】
子どもは10歳を超えるころから、スマホやタブレットを通じてゲームやSNSに親しむようになる。それとともに家庭が直面しがちなのが、さまざまな金銭トラブルだ。子どもが親のスマホやタブレットを使って、多額の投げ銭やゲーム内課金を行うケースが数多く報告されている。国民生活センターによると、中高生のオンラインゲームの支払額は増加傾向にあり、2023年度では小学生でも平均既支払額が10万円を超え、中学生も20万円近くになっている。「子どものお金教室」を全国で展開するFPの八木陽子さんのもとにも数多くの相談・報告が寄せられており、中には深刻なものも。「うちの子に限って」と油断していた親が、ある日突然、請求明細を見て青ざめる、その実態とは。
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家計に打撃! スマホやタブレットがもたらす高額トラブルの数々
【case1】中学生が親のカードで「投げ銭30万円」
「子どもたちが小さいころから、夫のタブレットを渡して動画を見せたりしていたんです」と話すのは45歳の主婦だ。視聴履歴もわかることから安心して遊ばせていたのだが、ある日、30万円近くの請求がカード会社から届き驚愕した。
「あわてて子どもたちに問い詰めたところ、中学生になる上の子が、動画配信サイトで推しに“投げ銭”をしていたことがわかりました」
課金には親のクレジットカード情報が無断で使われていた。現在、消費生活センターに相談をしながら返金交渉を行っているところだ。
――投げ銭とは、ライブ配信サービスなどで出演者を応援するため、視聴者がオンライン上で課金する行為のこと。投げ銭をすると出演者が喜んだり、メッセージをくれたりするため、視聴者が高揚して多額の投げ銭をしてしまうこともある。
子どもによる投げ銭や課金に使われるのが、親のクレジットカード情報だ。親が子どもに渡したスマホやタブレットには、親のカード情報が記録されていることがある。あるいは、親のクレカ情報の入力を何度か見ているうちに覚えてしまい、子がその情報を使うケースもある。
「アンケート調査を実施したころ、100万円近く使ってしまったというケースもありました。お金が実際に減っている実感がないこともあって、『この番号を入れれば買える』とさしたる罪悪感もなく親のカードを無断で使ってしまうことが多いようですね」
100万円というのはさすがに珍しいが、「子どもが使った数万円単位が請求月に発覚するケースはザラにあります」と八木さんは言う。投げ銭以外にも、ゲームの課金、アプリ内アイテムの購入など。いずれも1回あたりの金額は小さいが、積み重なってから親が請求明細を見て初めて気づく、というパターンが多い。
さらに厄介なのが、「無料で課金アイテムが手に入る裏ワザがある」という誤った情報が子ども同士の口コミで広まるケースだ。その手順とは親のスマホでキャリア決済を使うというもので、実は無料でもなんでもなく、翌月の携帯料金に合算されるだけ。しかし、子どもから見れば、「この手順を使えばゲームアイテムが手に入る」というわけだ。
「子どもたちのITリテラシーは親の想像を超えます。どのサービスなら簡単に決済できるか、という情報は大人より詳しいですよ」
【case2】高校生が後払い決済を延滞し、親が肩代わり
17歳の女子高校生のケース。彼女は高校生になってからアルバイトを始め、月2~3万円を稼ぐようになった。その全額を、自分のおこづかいとして使っている。重宝しているのがショッピングサイトの後払い決済だ。代金は後日コンビニから支払えばいいので、クレジットカードを持っていない未成年にはありがたい方法だった。メールアドレスと電話番号を登録して、「保護者の同意はありますか」というチェックボックスを自分でクリックするだけで、実際には親は何も知られないまま決済ができた。
最初はバイト代の範囲内で利用できていたのだが、欲しい服や化粧品が多く、『バイト代が入るから大丈夫』とつけ払いを重ねてしまった。そこに友だちとテーマパークに行く約束が重なり、ついにアルバイト代では返しきれない金額に。そのまま放置し、10万円近くの延滞があるとの通知が届いてしまった。
あわてた女子高校生は母親に相談。「この年齢でブラックリストに載ることになったらかわいそう」と、親が延滞料金をすべて肩代わりした。
――「後払い決済は本来、社会的信用を担保として利用するクレジットと同様の性質を持つものです。しかし一部のサービスでは未成年でも簡単に利用でき、仕組みとして問題があります」と八木さんは指摘する。「企業側の防止策を求めたいところですが、各家庭でも身を守る術として、お金教育は必要でしょう」
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