憧れの「零士メーター」に囲まれる愉悦…イマーシブ映像で「銀河鉄道999」が復活 巨匠「松本零士」が夢見た映像体験を徹底解説
ラストを先に明かしてしまう、意外な構成
「この映画は、原作マンガ連載もTV放映もまだつづいているというのに、旅の結末――つまり、物語全体のラストを、先に見せてしまったのです。たとえば、後年の『風の谷のナウシカ』は、原作マンガの最初の2巻分のみが映画化されました。『AKIRA』は原作マンガとはちがった結末に再構成されています。しかし『999』は、まったく逆。あまりに堂々とラストを明かすので、ファンはおどろいたものです」
このため、原作マンガやTVアニメーションのファンは、早く結末を知りたくて、劇場へ駆けつけることとなった。松本零士(原作・構成)、石森史郎(脚本)らスタッフの“作戦勝ち”である。この、結末を映画で先に明かしてしまう構成について、松本氏自身は、こう語っていた。
「この物語はラストも重要ですが、旅の途中の星々における、様々な出会いやエピソードが大切なんです。だから先にラストを明かしても、それ以前の物語がキチンと描かれていれば、原作マンガやTV版をその後つづけても大丈夫なんです」
その名ラストシーンのあと、一瞬の静寂を置いて、突如はじまるのが、ゴダイゴのうたうテーマ曲《銀河鉄道999/The Galaxy Express 999》である。作詞:奈良橋陽子(英語詞)+山川啓介(日本語詞)、作曲:タケカワユキヒデ、編曲:ミッキー吉野。
「それまで、映画『さらば宇宙戦艦ヤマト』の主題歌《ヤマトより愛をこめて》を沢田研二がうたった例はありましたが、ゴダイゴのような人気ロックバンドがアニメーション主題歌を担当した例は初めてでした。彼らはすでに《ガンダーラ》《モンキー・マジック》《ビューティフル・ネーム》などを大ヒットさせていただけに、最初は意外でした。これはすでに有名なエピソードですが、最初、ボーカルのタケカワユキヒデはバラード風の、ゆったりした曲想で作曲していました。しかし、編曲のミッキー吉野が、『もっと疾走感のあるスピーディーな曲にしたほうがよい』と、あのようなアレンジになったといわれています」
このように、なにからなにまで“革新的”な作品だった、1979年の映画「銀河鉄道999」。それが、21世紀のいま、角川武蔵野ミュージアムで、どのように生まれ変わったのだろうか。
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