単身赴任先で出会った不倫相手がいきなり上京してきた…「部屋を借りてくれたら別れるから」 妻に疑われ、47歳夫の言い出せない“決意”
半年後、ビルの陰に女性が…
そんな生活が半年ほど続いたころ、仕事を終えて帰路につこうとするとビルの陰から覗いている女性が見えた。友里さんだった。
「母が死んだのと一言。2度目の脳梗塞に勝てなかったと。前の日まで元気だったのにと友里は小声で話し続けました。妻に連絡して、その日は友里とシティホテルに泊まりました。僕にできることがあれば何でもするよと言ったら、東京でアパートを借りたいと。あなたには迷惑はかけない、アパートさえ借りてくれたら別れるからと。本気で言っているとわかりました」
ここで別れれば後腐れはない。友里さんが自分に迷惑をかけることは本当にないだろうと思った。だが、そのまま別れる気にはなれなかった。
さまざまな片付けを終えて、友里さんが上京してきたのは3ヶ月後だった。小さなアパートにおさまるだけの荷物しかなかった。人生をゼロからやり直すのと彼女は言った。
「ハローワークで仕事を探していましたが、なかなかなかったんでしょうね。とりあえずと働き始めたのがスナックでした。そこで彼女の作るつまみが評判になって、いつの間にか人気者になっていました」
「様子がおかしい。浮気でもしてる?」
会えない日が多くなった。たまに店に行くと、彼女は楽しそうに仕事をしている。自分がいない世界へ羽ばたいていきそうで、章弘さんは焦燥感でいっぱいになった。
「数ヶ月前ですかね、妻が突然、『様子がおかしい。浮気でもしてる?』と言いだして。そんなことあるわけないだろと言ったけど、うまく笑えなかった」
このままでは自分が潰れてしまう。お願いだから会ってほしいと友里さんに言うと、友里さんは「私が好きなのはあなただけ」と会ってくれる。それでも章弘さんはすぐに不安になって、また連絡をとる。すると友里さんは「そんなにしょっちゅうは会えない。会いたいけど会わないほうがいい」と諭すように言う。
「恋に崩れているのは僕だけで、彼女は立派にひとりで立っている。それがわかるだけに寂しくて悔しくて」
恋に心を苦しむ若者のように彼は表情を歪めた。ここが別れ時なのは、彼がいちばんよくわかっているのだろう。それなのに態度は裏腹だ。このままだと家庭も彼女も、両方失うのは目に見えている。
「わかってます」
彼はそう言ってじっとこちらを見た。
「今日、お話したのを機に、彼女に別れようと言うつもりでした」
だが結局は言えなかったようだ。そしてつい最近、彼から「ここ1ヶ月、自分からは連絡をとっていない。彼女からも連絡はない」とメールが来た。彼女から連絡がないことにプライドを傷つけられているようだが、それでいいのだと思う。彼女のプライドが保たれていればいい。そう思えたら、彼もひとかどの男なのではないだろうか。
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2度の単身赴任によって生じた、章弘さんの不倫関係。妻の美玲さんとのなれそめと友里さんとの出会いは前編記事【不倫5年目、「もう引き返すべき」とわかってはいるけれど… やはり若い頃に“大恋愛”はしておくべき? 10歳年下に溺れ47歳夫は自己嫌悪中】で紹介している。
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