20年ぶり続編「プラダを着た悪魔」はなぜ愛される? 強烈すぎる“パワハラ”描写でも「ローマの休日」に並ぶ名作になったワケ
5月1日に日本公開予定の『プラダを着た悪魔2』。4月初旬にはメリル・ストリープとアン・ハサウェイがグローバルプロモーションツアーの2つめの訪問先として日本を訪れた。前作の公開から実に20年ぶりという異例の続編だが、当時のファンはもちろん、リアルタイムで公開時を知らない若い世代にも傑作として名高い。『プラダを着た悪魔』がなぜに愛され続け、なぜ今、改めて続編が制作されたかを語りたい。
***
【写真を見る】20年前とは思えぬオシャレさ…永遠の傑作!当時の女神級爆美女アンディ&ファビュラスなミランダも見て!
まず前作の時代背景からひもといていこう。原作は、2003年に刊行されたローレン・ワイズバーガー作のベストセラー小説「プラダを着た悪魔」。2006年に映画化されたものだ。
「プラダ~」を制作・配給した20世紀フォックス(現在ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下の20世紀スタジオ)は1990年ごろから、毎月のようにコメディジャンルの映画を公開していた。理由は単純。好成績が見込める夏やクリスマスシーズンに公開されるビッグムービーの間をつなぐ、いわば大作不在の時期に、比較的低予算で好成績を弾き出すジャンルだったからだ。『プラダ~』もその文脈で制作が進んでいた作品のひとつで、予算は3,500万ドル、米国公開は2006年2月の予定だった。
だが、作品の出来栄え、マーケティング・リサーチなどの結果をみて、公開は独立記念日の連休を迎えた時期である「6月末」に変更された。ライバル作は、アクション超大作『スーパーマン リターンズ』。原作ファンや女性向けのコメディ映画枠ではなく、いわゆる“夏休み映画”として、大きくポジショニングを変えたのだ。
その結果、公開初週の全米映画ランキングでは『スーパーマン~』には及ばなかったものの、次ぐ2位の成績で、オープニング成績は約2,753万ドル(約32億円・2006年当時レート)、最終興収は約1億2,474万ドル(約143〜150億円・2006年当時レート)を稼ぎ出した。最終的な世界興収、72の国と地域の合計では約3億2,659万ドル(約380億円・2006年当時レート)となっている。
日本の女性らも虜に!
一方、日本では本国とは違い、女性をメインターゲットに絞り、ファミリー作品など大作がない11月に公開。本国での大反響を受け、日本でもさらなるヒットが求められたために、まずは10月末に開催された「第19回東京国際映画祭」の招待作品としてプレミア上映し、話題作りを行うという、手堅くターゲットに当てる戦法がとられた。
PRにあたっては、同作のスタイリングを担当したパトリシア・フィールドが来日招聘された。ドラマ『SATC』で知られるカリスマスタイリストである彼女と、同ドラマのエピソード演出を務めたデヴィッド・フランケルの監督作、またファッション好きなら知らぬ者のいないベストセラー小説が原作……ということで、ほぼすべての女性誌が彼女を取材、もしくは関連イベントに参加していたことを筆者もよく覚えている。
結果、興収は約17億円を記録した。当時の洋画の大ヒットラインの指標が50億円とされていたので、スマッシュヒット、というレベルではあるが、女性に絞り込んだターゲットでの洋画としてはかなり高い成績を残した。
[1/3ページ]



