サウジ出資「リブゴルフ」が消滅危機 収益上がらず、中東情勢は混乱…大金の甘い誘惑で移籍した選手に“大きなツケ”

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サウジはなぜゴルフだったのか

 なぜ、今、リブゴルフは消滅の危機に瀕することになったのか。

 米メディアの間では、リブゴルフが5年もの歳月を経過しても、なかなか成功しないことに、「PIFがしびれを切らし、ついに見限った」という見方が有力である。

 そもそも、サウジアラビアの政府系ファンドであるPIFが、なぜゴルフ界に手を伸ばし、リブゴルフを支援してきたのか。その答えは、PIFのヤセル・ルマイヤン会長が無類のゴルフ好きで、ゴルフ界で主要な立場に立ちたいという野望を抱いていたからだと言われている。

 それは、思わず「えー?」「本当に?」と首を傾げてしまいそうな話だ。だが、そんなジョークのような話は、実は表向きの建て前にすぎず、本当の目的は、スポーツ振興に注力することで健全で平和なイメージを醸成し、サウジアラビアという国全体のイメージ向上を目指していたと言われている。

 そのためにPIFはリブゴルフに潤沢なオイルマネーを注ぎ込み、世界で最もリッチなゴルフツアーを創設・稼働させてきた。

 だが、底なしと言われるオイルマネーも実際は無尽蔵ではなく、投資に見返りが期待されることは言うまでもない。

コスト高、選手脱退、中東情勢

 PIFが2022年から2026年始めまでにリブゴルフに投じた金額は53億ドル(約8446億円)。今年2月には、さらに2億6660万ドル(約425億円)を追加投資した。それが「2026年シーズンは安泰」という言葉の根拠だと言っていい。

 しかし、賞金アップや派手な演出等々でランニングコストは年々上昇しており、ここ2年ほどは「シーズン中は毎月1億ドル(約159億円)が必要」と言われていた。

 一方で、リブゴルフの収益はなかなか上がらず、TV視聴率は依然、低迷中である。

 昨年から今年にかけて、スター選手だったブルックス・ケプカとパトリック・リードが続けざまにリブゴルフから脱退し、PGAツアーへの復帰の道を歩み出した。それと前後して、ヘンリック・ステンソン、ケビン・ナ、パット・ペレスらもリブゴルフから離脱した。

 そんなふうにネガティブな事柄ばかりが目立つリブゴルフをPIFが見限ったとしても、不思議ではない。折しも、中東情勢は混乱と混迷が続いており、PIFが「お金の使い方」を見直して再検討を行っているという見方もある。

 これまでは、リブゴルフを支援することでサウジアラビア国外に向かってイメージアップを図ってきたが、もはやリブゴルフを支援している場合ではないという結論が出されたのかもしれない。

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