大手塾+家庭教師で270万円が1年で溶けた…「下の子の受験はムリ」 中学受験での「使い過ぎ」を招いた親心の罠【FPが助言】
FPからの処方箋:「小4~6年で300万+中学卒業まで300〜400万」の覚悟を
「私も下の子を中学受験させたのでわかります。総費用がよくわからないまま入塾してしまって、季節講習などでどんどん追加費用が発生して戸惑うんですよね。金銭的に厳しいな、と思っても、“せっかくここまでがんばってきたんだし”と途中で降りられないような心理状態になってしまうんです」という八木さん。
すでに使いすぎてしまった由紀さんに対しては、抜本的な立て直しをアドバイスした。
「教育費の支出はまだまだ続きます。大学まで見据えて、毎月いくら積み立てる必要があるか、計算して。そのうえで、家計を意識的に管理していく必要があります。といっても節約には限界がありますから、由紀さんは再就職し、下のお子さんは公立中学から高校受験するコースに進んでもらうのが現実的な選択となります。高校受験なら、由紀さん夫婦の受験経験も生かしたサポートができることでしょう」
では、これから中学受験を検討している家庭が気を付けるべきことは何か。八木さんは「実際どのくらいの費用が発生するのかスタート前に把握してください」と多くの相談者に最初に伝えている。
「めやすとして、小4・5・6年の3年間で、塾代だけで250万円、受験料など込みで300万円は見ておいてください。さらに私立中学に入学してからも年間100万円かかるので、中学校卒業までに600〜700万円を使うという覚悟と余裕が必要です。さらに大学進学費用を積み立てていく必要があることを忘れてはいけません」
高校の学費無償化の流れがあり、「私立中学に行かせる余裕があるのではないか」と考える保護者が増えているが、実際にこの費用負担に耐えられる家庭はそう多くはない。
「ケースバイケースではありますが、一般的に、住宅費は収入の25%、教育費は15%にとどめるのが健全な家計のめやすとされています」
例えば年収1,000万円だと、手取りは700万円台。住宅費に収入の25%を使えば175万円、教育費が15%として105万円。合計で約280万円、手取りの4割近くが住まいと教育費だけで消える計算となる。家賃が高いエリアに住んでいる、あるいは子どもが2人いる家庭なら、1,000万でも厳しいというのが現実だ。
「年間100万円規模の費用を、貯金を崩さずに収入の中から払えるかどうかが目安です。貯金を崩しながら受験費用を捻出しているようだと、肝心の大学進学費を積み立てることができなくなりますから」
「子どもの教育費は惜しまない」という親心は尊重したいが、家計の収支バランスが崩れ、将来の学費や下の子の学費を食いつぶすようでは本末転倒だ。中学受験をする・しないの選択をする前に、夫婦で一度「教育費の上限」をシミュレーションしておきたい。
「教育にお金をかけたら、それに比例して立派な人間に育つかといえばそうとは限りません。お金を出す以外にも子どもにできることは他にもあるはずです。子どものポテンシャルを信じて、知恵を絞ってみましょう」
※紹介する事例は、プライバシー保護等のため、アレンジを加えている。
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