死体をサイコロステーキのように刻んで… 「ボディを透明にする」と語った大量殺人者の“素顔” 子どもが明かす【埼玉愛犬家連続殺人】

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木刀で殴りつけ……

 83年10月24日、関根と風間は結婚し、埼玉の熊谷で暮らす。風間が26歳、関根は41歳であった。関根のほうが風間姓になったが、後に離婚して関根に戻っている。混乱を避けるために、関根は関根と書くことにする。

 A男は4歳で、幼稚園児だった。物心ついた時から関根がいたので、ずっと実の父親だと思っていた。

 関根は、ペットの繁殖と販売を行う会社アフリカケンネルの経営を行っており、妻となった風間も参画した。

 家にも犬がいて、ライオンや虎、熊がいた時期もある。ネコ科で体長が50~90cmほどもあるカラカルもいた。小学生になると、犬を毎日散歩させること、家の中の拭き掃除をすることを、A男は関根に言いつけられた。夕方は風呂の準備をしなければならなかった。

「犬の散歩は嫌いじゃなかったし、家のことをやるのも普通かなって思ってたんです。でも、友達と遊びたくて、ついついさぼって出かけちゃうと、木刀で殴りつけられる。寝坊したりして、掃除とか、やらないで行っちゃったりするじゃないですか。そうすると、学校までわざわざ迎えに来て連れ帰られて、やらされた」

実の両親が共に死刑囚に

 A男が6歳の時に、妹のB子が誕生する。妹が成長するにつれて、A男の疑問が募る。妹は小学生になっても、掃除などをさせられないからだ。

 B子は現在、30歳。2人の息子も含めて家族全員が死刑囚となっている大牟田4人殺害事件を除けば、実の両親が共に死刑囚となっているのは、今の日本で彼女だけだ。ずいぶん身構えて会いに行ったものだが、愛されて育ってきたと思わせる、穏やかな女性だ。

 B子は確かに、自分は兄とは違う扱いを受けていたと思い起こす。

「私にも、やらなきゃいけない決まり事はあったんです。学校に行く時に電気を消す。ただボタンを押すだけ。やると1回100円お小遣いくれる。忘れても、『お前だめだね』って言われるだけでした」

 ***

 家庭では厳しい父として振る舞い、その裏に大量殺人者としての顔を隠し持っていた関根。実の子でないA男に対する“しつけ”は、次第にエスカレートしていく。後編では、母である風間が「このままでは息子は殺されてしまう」と焦燥に駆られた出来事について報じている。

深笛義也(ふかぶえ・よしなり) ノンフィクションライター
1959年東京都生まれ。「週刊新潮」に「黒い報告書」を80本以上書いてきた他、ノンフィクションも多数執筆。著書に『エロか?革命か?それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』などがある。2017年、本記事をもとにした書き下ろし『罠』(サイゾー)を刊行した。

デイリー新潮編集部

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