国宝指定も京都「萬福寺」の“自虐SNS”が話題 中の人が語る「今日も萬福寺は空いてます(苦笑)」
嘘偽りなく、空いている
――なぜ、“空いている”ことを、殊更に強調するようになったのでしょうか。
中の人:嘘偽りなく、萬福寺は空いているからです。今日も空いていましたからね。
――他のお寺のXと、差別化を図ろうという狙いはあるのでしょうか。
中の人:他のお寺のXでは、「境内の桜が咲きました」のような話題で、“1000いいね”がつくことがあります。私どもは後発ですし、有名なお寺に対抗しても勝てないと思いますから、違う方向を目指したというのはありますね。ただ、“誰も傷つけない”投稿をするようには心がけています。
――なるほど。ただ一方で、萬福寺の境内に京都の有名なお寺の拝観券が落ちていることをネタにして、ライバル視するようなポストもありましたが。
中の人:戦っても勝てないところには、どんどん絡んでいくスタイルです。それに、向こうもどうせ、萬福寺を相手になんてしないでしょうから(笑)。
宇治市には世界遺産の寺があるので……
――2024年12月、大雄宝殿、法堂、天王殿の3棟が国宝に指定されました。
中の人:普通はそういったトピックを活用して、もっと売り出して行くべきなんでしょうけれど、いかんせん、萬福寺は外への情報発信がうまくありません。参詣者のみなさんも、「国宝なんですね」って、来てから気づくような感じです。したがって、国宝効果はめちゃくちゃ大きいわけではないですね。
それに何と言っても、宇治市内には、すぐ近くに“世界遺産に登録されている有名なお寺”がありますから……(笑)。向こうは、国宝であるうえに世界遺産。萬福寺はとても敵いません。そんなこともあって、依然、空いているのだと思います。
――とはいえ、萬福寺は国宝ですよ。それで空いているのが不思議なくらいです。
中の人:逆に質問なのですが、なぜ空いていると思いますか(笑)?
――観光ガイドブックなどでの露出度が低いからではないでしょうか。建築や文化財が好きな人は物凄く好むお寺だと思いますし、万人受けよりも、マニアックな需要を汲んだほうがいい気もします。
中の人:なるほど。空いているのには、いろいろな要因があると思うんですよ。例えば、清水寺さんだと参道の両側にお店があって、賑わっています。萬福寺も昔は門前に参道があったのですが、今はありません。駅からお寺に向かうまでの雰囲気も、影響しているのかなと思ったりしますね。
――逆に、萬福寺のコアなファンからは、空いているほうがいいという意見も寄せられているのではないかと思います。
中の人:たまにXのポストがバズると、そういうお声をいただきますね。萬福寺はたくさんの修行僧がいる修行の場でもあります。あまり賑わいすぎてもどうかと思いますので、そのあたりのバランス加減が難しいところではあります。
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