「茨城で中国人農家が増加している」 国籍を取得してから離婚… 外国人の不法就労が横行している背景とは
【全2回(前編/後編)の前編】
茨城県は今年度から、外国人の不法就労対策として通報報奨金制度を導入する。2月の発表以降、「差別を助長する」と反発する人もいるが、現地に足を運ぶと、意外な本音を地元住民は口にする。その裏には、背に腹を代えられない事情もあるようで……。
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【写真を見る】最新の人口データを元に作成した地図 濃い赤で示されるのが特に「外国人比率の高い」エリアである
「鼻先にカネをぶら下げて密告を奨励しようなんて、うまくいくわけがない。制度がスタートすれば、茨城の農業は衰退するかもしれません。けれど、政治家は農家の実情を何も分かっちゃいないことがよく分かりました」(茨城県鉾田市でメロン農園を営む70代男性)
大井川和彦知事(62)は今年度から、非正規滞在など不法就労の外国人を雇う事業所を通報した県民に報奨金を支払う新制度をスタートさせる。
4月2日の定例会見では、
「違法行為の是正は行政の基本責務。不法就労のまん延は外国人の適正な雇用秩序を破壊する。外国人排斥とは全く違う」
と導入の正当性を強調した。茨城県庁によれば、
「これから専用サイトを立ち上げて情報を募り、県側が事業者をヒアリングするなどして、まずは不法就労の有無を確認します。不法就労の恐れがあると判断した場合にのみ、警察に情報提供し、逮捕などに至れば通報者に1万円程度の報奨金が支払われる仕組みです。その原資として、今年度当初予算案に20万円を計上しました」(県外国人適正雇用推進室)
「県内の20代の農業従事者は“2人に1人が外国人”」
出入国在留管理庁によると、茨城県内の在留外国人は10万6490人で全国10位(2025年6月末時点)。しかし不法就労の外国人は3518人(昨年末時点)と、4年連続で全国最多を記録した。地元紙記者が言う。
「不法就労者のうち、7割に当たる2463人を農業従事者が占めています。県内の20代の農業従事者に限れば“2人に1人が外国人”とされ、その分、不法就労者も多い。“不法外国人の集積地”といったイメージの払拭に向け、大井川知事は以前から神経を尖らせていました」
「首都圏の台所」と呼ばれる農業王国・茨城の中でも、野菜の農業産出額が全国1位を誇るのが鉾田市だ。特にサツマイモやメロン、イチゴの生産地として名高い一方で、
「高齢農家が多く、技能実習生をはじめとした外国人によって下支えされているのが実態です。同市の外国人割合は県全体の2.87%に対し7.16%と、県内2位の高さ。そのため“鉾田が外国人不法就労の中心地”だと指摘する声は少なくありません」(同)
匿名を条件に取材に応じた鉾田市議の一人は、
「汚名返上のため、知事が通報制度を立ち上げたのは理解できます。ただし1万円程度をもらって喜ぶ人がどれだけいるのか。実効性については甚だ疑問だと言わざるを得ません」
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