開幕“どん底”スタート「中日」にミラクルは起きる? 早めのテコ入れで「紺野あさ美の夫」を獲得、次なる“井上マジック”は

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早めのテコ入れ

 開幕から苦しい戦いの続く中日ドラゴンズが早めのテコ入れだ。4月12日の阪神戦に敗れて3連敗、その試合終了のアナウンスとほぼ同時に飛び込んできたのが「ブルペン陣の強化策」だった。

「日本ハムから金銭トレードで杉浦稔大(34)を獲得しました。杉浦の妻は元モー娘。の紺野あさ美で、開幕1軍メンバーから外れたものの、救援、先発ともに実績があり、本人もチャンスに飢えていたはず。良いトレードだと思います」(名古屋在住記者)

 12日の阪神戦を終えた時点でのブルペン陣の防御率は6.47。前カードDeNAとの2連戦までは8点台だった。経験の多い藤嶋健人(28)、勝野昌慶(29)が7点台の防御率なので「僅差のゲームでは出しにくい」といった状況でもあった。

「開幕第2戦に先発デビューした、ドラフト2位ルーキーの櫻井頼之介(22)の中継ぎ転向も決まりました。櫻井は先発、リリーフの両方ともいけるというのが首脳陣の評価でした。主に2軍を担当していた落合英二投手コーディネーター(56)の1軍担当への配置換えも決まりました」(前出・同)

 セ・リーグ5球団との対戦が一巡した時点で、同一カード3連敗が2回。借金8となったのは80年以来、46年ぶり。球団創設90周年のメモリアルイヤーに「単独最下位」ではマズイと思ったのだろう。他チームであれば、「もう少し様子を見てから」となるところだが、トレード、配置換えと策を打ってきた。しかし、そこには井上一樹監督(54)らしい気配りも見られた。

「落合コーディネーターも含めて1軍の投手担当コーチは4人体制になりました。山井大介投手コーチ(47)、ブルペン担当の浅尾拓也投手コーチ(41)、1軍マネジャーでスコアラーも兼務してきた大塚晶文巡回投手・育成コーチ(54)は引き続き、1軍に帯同します。山井、浅尾、大塚の3コーチのうち、誰かを落合コーディネーターと入れ替えてファーム担当にしたら、そのコーチにドロ沼スタートの責任を負わせてしまいます。フロント主導の今回のテコ入れに井上監督は賛成でしたが、4人制に強くこだわったと聞いています」(前出・同)

 井上監督は地元メディアの質問に対し、「オレが落合さんにお願いした。ローテ、継投、いろいろなところでアドバイスしてもらうためです」と説明していた。「船頭多くして~」の諺もあるが、落合コーディネーターの参謀役に期待する声も多い。

「井上監督の就任が決まったとき、落合コーディネーターは立浪和義前監督(56)とともに退団するつもりでした。井上監督が説得してチームに残ってもらった経緯は有名で、それだけ信頼しているということ。昨季は2軍監督を務めていたので、ほぼ全員の若手の性格も分かっていますし、大野雄大(37)がリハビリに費やしてきた時期も知っています」(地元メディア関係者)

諦めるのはまだ早い

 井上-落合の新コンビが、結果を出し切れていない若手をどうやって飛躍させるのか――今後の手腕に期待だが、球団関係者やファンにとって、気になるデータがある。対戦カードが一巡した時点での中日の勝率は2割台だが、セ・リーグには「巻き返し」の前例があった。「開幕5連敗」からリーグ優勝を収めたチームが2例もあるのだ。60年の大洋ホエールズと08年の巨人だ。

 前者は「三原マジック」としても語り草になっているが、さらに一つ負け、実に開幕6連敗でのスタートだった。だが、三原脩監督は長いイニングを投げられない中堅投手を中継ぎに転向させ、途中加入の選手も巧みに使いながら、ジリジリと勝率を上げ、最後は巨人を振り切ってリーグ優勝を収めた。

 08年の巨人優勝は、ライバルの阪神が同年の北京五輪出場で、4番の新井貴浩(49=現広島監督)、正捕手の矢野燿大(57)、守護神の藤川球児(45=現阪神監督)を奪われ、失速したこともあってのミラクルだったが、

「中日は、シーズン最終試合で巨人が優勝した94年“メークドラマ”の引き立て役にされています。球団80年史などの書籍や、球団史を紹介するナゴヤ球場の場内パネルには、“10・8”と呼ばれる、決戦の一枚が飾られていました」(前出・名古屋在住記者)

 もし、井上-落合コンビで開幕5連敗からリーグ優勝となれば、「三原マジック」の伝説に並び、94年と08年のリベンジも同時に果たせるというわけだ。

「三原マジック」の真髄は、選手の長所を活かすこと。異なるタイプの選手が2人いれば、その長所を合わせれば一流の選手以上の戦力になるとし、打撃に優れた選手がいれば代打として使う。対戦打者に応じて守備位置を極端に変えるシフトも用いて、全員でアウトカウントを積み上げてきた。現在の中日が見習うべき点も少なくない。故障で離脱した上林誠知(30)、岡林勇希(24)の抜けた穴を誰か一人でカバーするのではなく、複数選手で補っていくべきだろう。

「彼らの代役で起用されたルーキーの花田旭(22)の評価が高いです。その花田に代走や守備固めの選手を試合後半に送り出せば、他選手にもチャンスを与えることになります」(前出・地元メディア関係者)

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