「オール沖縄」の「抗議活動を再開」通達に「非常識極まりない」の声 「強制捜査中なのに当事者意識のかけらもない」〈辺野古転覆事故〉

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 沖縄県名護市の辺野古沖で船2隻の転覆事故が起きたのは、3月16日。研修旅行中だった同志社国際高校2年の武石知華(ともか)さん(17)と船長(71)の命を奪った悲劇は大きく報じられた。

「辺野古ボート転覆事故遺族メモ」のアカウント名で、同月28日から、知華さんの父親が投稿サイト「note」上に思いをつづり始めている。

〈本当に、どうしてこうなってしまったのか。/言葉が続けられません〉

 と無念を記しつつ、写真を交えて知華さんの生い立ちを紹介。同志社国際高の安全管理に疑問を呈し、事実解明につながる情報提供も呼びかける内容だ。

 そのnoteの投稿が続けられていた4月上旬。

「見てくださいよ、この無神経な内容を」

 と、沖縄県の政界関係者が一通の文書を示した。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する「オール沖縄会議」から、県内の各団体に宛てられた3月31日付の通達だ。〈4月からの抗議活動について〉とのタイトルで、

〈4月から喪が明けるまで、喪章などを付けて哀悼の意を示し、活動を自粛して行う(拡声器は使わない)。/5月7日(木)からは、従来通りに戻します〉

 と、書かれている。

「当事者意識のかけらもない」

 しかも、と政界関係者は声に力を込める。

「よりにもよって、ご遺族が心情を吐露されている時期にこんな通達を出すなんて非常識極まりない。抗議活動に使われていた船で、事故が起きているんです」

 転覆した2隻を運用していたのは辺野古移設に反対する「へリ基地反対協議会(以下、反対協)」。事故当日の夜の謝罪会見に現れたメンバーは普段着で、腕を組んでふんぞり返っている男性もいた。

「その様子は世間の怒りの火に油を注ぐ一方で、反対協の名を社会に広めました。そもそも反対協はオール沖縄会議の母体となった組織。ですが事故後に、出航判断基準の曖昧さや、海上運送法上の登録をしていなかった事実など、次々と運用体制のずさんさが明らかになっています」

 この実態を受け、第11管区海上保安本部は、

「安全管理の実態を解明するには強制捜査が不可欠と判断し、3月中に、反対協の事務所や活動拠点、船2隻の船長宅といった関係先に業務上過失致死傷などの容疑で家宅捜索に入りました。海上保安本部は目下、押収した2隻や関係資料を基に、事故原因を究明すべく捜査中です」

 にもかかわらず“5月から抗議活動を従来通りに戻す”とは、

「当事者意識のかけらもありません。オール沖縄会議関係者の一部には“反対協を解散させてしまえばいい”との意見もありました。玉城デニー知事の3選出馬に悪影響を及ぼすからなくしてしまえ、という話です。が、これまで玉城知事を支えてきた反対協はもはや死に体なので、次期選挙での支援はアテにしないと決めたのでしょう」(同)

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