「格付けチェック」で大友康平の“ひとりHOUND DOG”が話題に…「最強のライブバンド」と呼ばれたオリジナルメンバーでの復活はないのか
何度かの解散危機
「当時、大友さんは東京進出を主張していましたが、ほかのメンバーたちは地元・仙台での活動を望んで対立。82年10月に大友さんが解散を宣言してしまったのです。しかし、大友さんは、東京における活動をマネジメントしていた福田信氏らと新事務所『マザーエンタープライズ』を設立して移籍。バンド活動を継続することになりました。この事務所には後に故尾崎豊さんや及川光博さん(56)も所属することになります」(同前)
移籍後の83年11月2日に初の日本武道館公演を成功させ、その後、メンバーの脱退により、世良公則(70)率いるバンド「ツイスト」のベーシストだった鮫島秀樹(70)、ドラムの橋本章司(70)、ギターの西山毅(65)が加入。大友、八島、蓑輪、そして新加入の3人を加えた6人体制で固まったが、そこから、音楽界に数々の“伝説”を築き上げることになる。
まず、85年8月10日には大雨の中での西武球場でのライブを敢行。終盤、演出用の花火が突如暴発し、大友は負傷したものの、応急手当を受け、すぐにステージに復帰。アンコールで大友は「来年もここでやるぞ!」と宣言。翌年の同日は「誓いの日」として快晴の中、同所でライブを行った。
西武球場ライブ直後の85年8月25日、後に代表曲となる蓑輪作曲のシングル「ff」を発売。日清食品が曲の世界観に惚れ込み、看板商品である「カップヌードル」のCMソングとして起用した。同社CMでは88年のシングル「AMBITIOUS」も起用されるなど、発売する楽曲に次々とタイアップが付き、当時、最も勢いのあるバンドに駆け上がった。86年から88年までは、足かけ3年で全国207公演のライブツアーを行い、88年3月28日には同年に開業した東京ドームで日本人歌手初の単独公演を開催。そして、90年1月30日から2月19日にかけて、武道館で史上最多の15日連続ライブを開催。現在も、この記録は破られていない。
92年2月発売のシングル「BRIDGE~あの橋をわたるとき~」は、「アサヒスーパードライ」のCMソングとして起用され、オリコンの「週間シングルチャート」で過去最高の2位にランクイン。68万枚を売上げ、グループ最大のヒット曲となった。
「80年代後半からは快進撃だったにもかかわらず、おおみそかの紅白歌合戦への出場経験はありません。91年の紅白に選ばれたものの、NHKは『ff』を歌唱曲に選択。しかし、バンド側は発売を控えた『BRIDGE』の歌唱を希望し、折り合いが合わずに辞退を申し入れ、バンドとしてのポリシーを貫いたのです。HOUND DOGというと、この頃の6人のメンバーがファンや関係者にとって最も印象に残っているのでは」(当時を知るレコード会社関係者)
90年から99年までは、毎年夏に「夢の島」と題した野外ライブを行ったが、そのころから大友のソロ活動が目立つようになる。90年公開の「ゴールドラッシュ」で映画初出演にして初主演。99年公開の「のど自慢」でも主演を務め、「パッチギ!」(04年)、「笑う警官」(09年)、ドラマはNHKの「FLY 航空学園グラフィティ」(00年)、フジテレビの「フリーター、家を買う。」(10年)など、続々と映像作品に出演し、役者としてのポテンシャルの高さを見せたのだ。
「トークも絶妙なので、バラエティーやトーク番組への出演も自然に増えました。しかし、本業のバンド活動ではヒット曲がなかなか出ず、レコード会社の移籍を繰り返し、オリジナルのシングル・アルバムはデビュー25周年のメモリアルイヤーとなる05年が最後の発売。そして、この年がバンドにとってのターニングポイントとなったのです」(同前)
この年、大友と所属事務所・マザー側が対立し、大友は個人事務所を設立して4月に独立。マザー側は、7月9日の日本武道館公演をもってHOUND DOGに関する一切の業務を終了することを発表。同日の公演が、音楽界に伝説を築いた6人での最後のパフォーマンスとなった。翌8月、大友は蓑輪と鮫島を除いた4人で活動することを発表。しばらくはサポートメンバーを入れ活動していたが、06年6月、大友は“1人HOUND DOG”を宣言してしまったのだ。
「4人になってから、大友さんは一部スポーツ紙の取材に対し、『HOUND DOGは僕のものですから。大学時代にオレがつくった。ぶっちゃけ言っちゃうと、オレだけだっていい。オレが歌えばHOUND DOGですから』と爆弾発言したのです。06年7月、大友さん以外はサポートメンバーで行われたライブ会場の外では、元の6人での活動を求める署名活動が行われましたが、ファンの願いはかないませんでした」(音楽担当記者)
さらに、元メンバー間でHOUND DOGの名称使用権やコンサート出演義務違反など、3年にわたる法廷闘争が繰り広げられることになった。
また6人で……
その後、大友は周年ライブをサポートメンバーとともに続け、いすゞ自動車「いすゞのトラック」のCMに起用され、テーマソングもブレークした。今年1月1日に古希を迎え、3月と4月に70歳を記念したツアーのステージに立っている。
代表曲である「ff」は、お笑いタレント・りんごちゃん(37)のものまねで再び脚光を浴び、若い世代の間でも広く知られるように。
「残る5人のメンバーのうち、橋本さん以外の4人は、24年11月に高知県内で行われたライブで18年ぶりに同じステージに立ち往年のファンを感動させました。大友さんが歌う際、HOUND DOGの楽曲を元のままで歌うのはNGであることが一連の裁判で取り決められたため、必ずアレンジを加えなければなりません。昨年は45周年、2030年にはついに50周年を迎えることもあり、そろそろ6人が同じステージに立ってのオリジナル曲を聞きたいもの。なんとか6人でステージに立ち、音楽界に新たな伝説を作ってほしいものです」(前出・記者)
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