「ハメネイ爆殺」を喜ぶイラン人がいてもトランプの「蜂起呼びかけ」には決して応じない事情
イラン情勢にいら立ちを隠さないトランプ大統領。その“誤算”の一つが、現イラン政権の体制転換が思うように進まないことだといわれている。なぜイランの民主化を訴えてきた反体制派の人々は、トランプの呼びかけに応じようとしないのだろうか。
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“ペルシャ帝国の末裔”としての高いプライド
〈偉大な誇り高きイランの人々へ。自由のときが来ている〉
2月28日のイラン攻撃の際に、トランプ米大統領はこう述べた。イラン国民への訴えは次のように続く。
〈攻撃が終わったら政府を引き継げ。あなたたちのものになる〉――。
トランプ大統領による、蜂起の呼びかけ。だが、常日頃、イランの民主化を訴える反体制派の人々がトランプのあおりに乗る気配はない。一体なぜなのだろうか。
元駐イラン大使の齊藤貢氏はイラン人の性格を踏まえてこう言う。
「彼らは“ペルシャ帝国の末裔(まつえい)”としての高いプライドを持っています。同時に、歴史的にロシア、イギリス、そしてアメリカなどから“虐げられてきた”という強い被害者意識と怨念も抱えています。この感覚こそが、彼らの相互主義の姿勢につながっていて、自分たちだけが被害を受けるのはおかしいとアラブ産油国を攻撃している。そして、政府への不満があっても、外部からの攻撃で愛国心に火がつき、結果的にイランとして一致団結しやすいのです」
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