横尾忠則が大切にする「何もしない、何も考えない時間」

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 老齢になると時間の進行が物凄く早くなるとよく言われてますが、僕はその反対で、時間の流れが遅過ぎるのです。アトリエの柱時計が壊れているのではないかと思われるほど一向に進もうとしてくれないのです。

 よく何もしない時は時間の進行が遅く、忙がしい時とか、充実した時はアッという間に辺りが暗くなって一日が終るといいますが、僕の時間と世界の時間の間にはどうも時差があるようにしか思えないのです。

 今日だって、朝はテレビで「日曜美術館」を見て、アトリエに来て昼にコンビニのトンカツ弁当を半分食べて、あとは庭の鳥のエサにして、ソファーで寝ころんだ状態でこのエッセイを書いて、まだ時間はたっぷり余っているので、ではもう一本と思って今、本稿を書いている最中です。...

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