「普通はあれができない」…杉村春子の「どこにでもいるおばさん」演技、小津監督も魅了された底知れぬ演技力【昭和女優ものがたり】
1997年4月4日、日本演劇界にこの女優ありと謳われた杉村春子さんが死去した。享年91。「女の一生」や「欲望という名の電車」など数々の舞台で喝采を浴びた一方、銀幕の上でも名だたる名監督たちに愛された大女優である。映画解説者の稲森浩介氏が、小津安二郎監督の作品を通じて映画女優としての杉村さんを紐解く。
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杉村春子は文学座の新劇女優として、舞台女優の頂点を極めた人だ。しかし、晩年まで映画出演も続け、その本数は140作以上にのぼる。...

