池袋ストーカー刺殺事件「広川大起容疑者」が“ポケモンセンター”を犯行現場に選んだあまりに身勝手な理由 専門家が語る「もうひとつの犯行動機」とは

国内 社会

  • ブックマーク

 3月26日の午後7時過ぎ、東京・池袋のサンシャインシティ2階にある「ポケモンセンターメガトウキョー」で刺殺事件が発生した。川崎市の無職・広川大起容疑者(26)が、ポケモンセンターでアルバイトをしていた元交際相手・春川萌衣さん(21)の首をナイフで刺して殺害。さらに自分の首もナイフで刺して自殺した。担当記者は「司法解剖の結果、春川さんの死因は失血死だったと判明しました」と言う。

 ***

「広川容疑者はレジカウンターにいた春川さんに大声を出して襲いかかり、涙を流しながらナイフで春川さんと自分を交互に刺したことが分かっています。2人はアルバイトを通じて知り合い、2024年10月から交際が始まりました。少なくとも広川容疑者は結婚を考えていたとの証言もあります。ところが25年の夏頃に春川さんがポケモンセンターで働き始めると『お前には向いていない、辞めろ』と辞職を迫るようになり、仕事を続けたかった春川さんは広川容疑者と別れることを決心しました。すると広川容疑者の春川さんに対するつきまといが始まり、25年12月にストーカー規制法違反の容疑で警視庁に逮捕されたのです」

 東京未来大学副学長の出口保行教授は犯罪心理学が専門だ。大学院を修了後、法務省に心理職として入省し、全国の少年鑑別所・刑務所などで犯罪者の心理分析に携わった経験を持つ。

 出口教授は「事件の真相を解く鍵は、犯行現場にあります。なぜ広川容疑者はポケモンセンターで春川さんに襲いかかったのか、は重要な意味を持つのです」と言う。

犯行の動機は「拡大自殺」

「ポケモンセンターは大勢の人がいる場所です。犯罪者の視点に立って考えると、殺害だけが目的ならば人気のない場所で闇討ち的に襲撃したほうが成功する確率は上がります。ところが、広川容疑者は逆に衆人環視の場所を犯行現場として選んだわけです。当然ながら、周囲の人が犯行を止めたり、逮捕されたりするリスクは高まりますが、むしろ彼は犯行を多くの人に見てもらいたかったと分析できます。この池袋刺殺事件は『相手の言動に激昂して殺してしまった』というタイプの殺人事件ではありません。広川容疑者の殺害目的は『拡大自殺』だったと考えられるのです」(出口教授)

 拡大自殺とは一般的に「他人を同意なく巻き添えにして殺害し、その後に自殺する行為」と定義されている。

「広川容疑者は春川さんを自分の支配下に置きたいという強い願望があったのでしょう。ところが春川さんは『ポケモンセンターで働くのは辞めろ』という“命令”に背きました。このことに対する自分勝手な憤りは、かなり強かったはずです。そもそもストーカーとは非常に自己中心的で、自分の欲求を貫き通そうとする共通点があります。相手が何を感じているのか思いを致すことなく行動し、自分の思い通りにならないと不満を強めるわけです」(同・出口教授)

次ページ:廣川容疑者が泣いた意味

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。