カーグ島占拠の「最悪シナリオ」に備えて… 「株式の8割を売却した」 危機管理コンサルタントが明かす

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 アメリカによるイラン攻撃は対岸の火事ではない。それがもたらす「原油高」、あるいは株式市場への影響を、われわれはどう受け止めればいいのか。田中辰巳氏(危機管理コンサルタント)が勧める自衛策とは。

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 危機管理では常に最悪の事態を想定しておく必要があります。アメリカは、イランの主要原油積み出し拠点であるカーグ島の占拠を考えているのではないか。イランや軍事の専門家ではないものの、私はその「最悪シナリオ」を恐れているのです。

 アメリカは強襲揚陸艦「トリポリ」を中心とした海兵隊部隊約5000人を中東に展開させていますが、イランの正規軍は約40万人、革命防衛隊は20万人くらいおり、合計60万人に達します。それに対して5000人しか派遣しないのは、通常の戦闘を想定しているわけではなく、カーグ島を狙っているからではないか、と。

 トランプ大統領は一石何鳥を得られるか、というビジネスマンにありがちな考え方をする人物です。カーグ島を占拠できれば、イランの収入源を絶つことができるだけではなく、そこからの原油の輸入に頼っている中国を困らせることができます。しかしその反面、中国が他から原油を買おうとすれば、世界中の原油が逼迫(ひっぱく)し、1バレル200ドルを突破する事態も考えられると思います。

同じものなのに、ただただ価格が上がる

 一番影響を受けるのは、自動車産業でしょう。私は元々アイシン精機という自動車部品メーカーに就職し、その後、リクルートに転職したのですが、自動車産業は石油由来の原料を非常に多く使っています。ものすごいコストアップの要因になると思います。

 ガソリン代が高くなれば、われわれの生活への影響も避けられません。私はよく湘南に行くのですが、これまでは車を運転して行くのが常でした。しかしガソリン代が一時1リットル200円を超えたのを見てから、電車で行くようになりました。自分の会社の経営は順調なのですが、心理的なものですよね。同じものを買うだけなのに、ただただ価格が上がる。それはやはり人々の消費行動に影響を与えると思います。

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