“高市発言”もお構いなし? 中国ネットにあふれる「日本ツアー」 「政府は黙認状態」

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渡航自粛要請もお構いなし

 3月16日、法務省の出入国管理統計(2月分)が明らかにされた。日本政府が毎月発表しているインバウンド客数の基になるデータだ。

 前回の1月分の発表では、高市首相の台湾有事発言がモロに響いて、中国からの訪日客は、対前年同月比でマイナス60.7%と激減。日本への渡航自粛要請が発表され、飛行機も次々と減便したこともあって、京都や大阪など人気の観光地は一気に閑古鳥が鳴いたものである。

 で、2月の中国からの訪日客数はというと、対前年同月比43%減(31万5419人)。数字だけを見ると相変わらず中国からの訪日客は減ったままだが、向こうでは日本への旅行はどう受け止められているのだろうか。

 中国の大手旅行サイト「携程旅行(シートリップ・ドットコム)」をのぞいてみると、渡航自粛要請が出ているのに、なぜか〈東京、大阪、京都、奈良市、富士山を巡る6日5泊のグループツアー〉など、日本ツアーがずらり。旅程を案内する画面には、桜や富士山の写真がちりばめられている。たしかに、中国人観光客も花見が大好きだ。

 コメント欄には、つい最近、日本に行ってきたという中国人客の書き込みが。

〈日本で泊まった五つのホテルはどれも個性的でとても清潔で、窓から見える富士山の景色は素晴らしかったです! 毎朝おいしいビュッフェスタイルの朝食を楽しみ、カニ道楽にも行ってみました〉

 日本を満喫したようである。

“優良なお客さん”

 ウィーチャットやウェイボーといった中国のSNSはどうか。

〈5月末か6月初めに日本旅行を計画しているのですが、東回りで大阪から出国するか、関東地方だけに滞在するかで迷っています。8日間では関東と関西両方を回るには慌ただし過ぎるという意見をよく見かけます。以前日本に行ったことがある方、アドバイスをいただけませんか?〉

 もちろん、日本への旅行に批判的な内容もあるが、楽しかったとか、日本のどこそこに行きたいといった書き込みであふれているではないか。

 航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏が言う。

「高市発言でインバウンド客が激減したといっても毎月30万人以上の中国人客が日本を訪れているのです。これは、韓国・台湾に次ぐ数。しかも、彼らは大きな団体ツアーではなく個人客や小さなグループです。特徴としては比較的お金を持っていて、日本が好きな人に絞られていますから“優良なお客さん”と言っていいでしょう。中国政府も渡航自粛は出していますが、禁止まではしていない。いうなれば黙認状態です」

 こんな中国人客ばかりだったら大歓迎である。

週刊新潮 2026年3月26日号掲載

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