けわしい山道を疾走する「トレラン」に脚光! 世界大会3位のトップ選手が「勝負の明暗を分けるほど重要」と語る“意外な2文字”
補給の失敗はその後に響く
――トレイルランニングで面白いなと思ったのが、食料を食べながら歩き続ける“補給”ですね。トレイルランナーにとっては欠かせないのだとか。
秋山:補給は、勝負の明暗を分けるほど重要です。というのも、補給で失敗したら、どんなに強い選手でもその後に失速してしまったり、足が攣ったり、動けなくなってしまうからです。走力を鍛えるのと同じくらい大事ですね。自分の胃腸にはどんな食料が合っているのか、研究しないといけません。
私は、ニュージーランドの「ピュア」というジェルがお気に入り。1個40gなので荷物があまり重くなりませんし、防腐剤も入っていないので魅力的です。ネットでしか買えないのが残念ですね。
――日本は国土の7割が森林ですし、トレイルランニングの大会も開催しやすい環境ですから、今後ますます盛り上がる可能性があります。競技人口を増やすために取り組んでいることはありますか。
秋山:まだまだ、山小屋のスタッフの中には、トレイルランナーに対して視線が厳しい人も少なくありません。というのも、装備不足のまま山に入り、遭難する方がいて、夜に救助を要請されることがあるためです。まずはトレイルランナーの一人一人が競技のイメージを高めるため、装備を万全にして取り組むことが大事です。
あと、それぞれの山のルールもありますよね。夜中に山頂に着く計画を立てたりすると、快く思われないこともあります。日本でトレイルランニングを普及させるためには、登山家のみなさんや山小屋の関係者との相互理解や、共存が必要だと思います。そのためにも、競技を行う傍らで啓発活動も行っています。
トレイルランニングのファンを増やしたい
――秋山さんが考える、トレイルランニングの魅力はなんですか。
秋山:仕事をしていて時間がない人でも、走れば1~2泊の行程を日帰りできるんですよ。山の景色が見たいけれど十分な時間がとれない、という人にもおすすめできます。基礎体力は必要になりますが、筋トレが好きな人や、日々走る経験がない人にもおすすめです。
――秋山さん自身が、メディアで取り上げられる機会も増えていますね。
秋山:山岳遭難救助隊を経験した経歴はマスコミの皆さんに注目されやすいのか、取材の依頼は多いですね。でも、最初の頃は肩書きのおかげで注目されていると思い、しっかりと実績を出せるように努力しようという気持ちになりました。
私の実力はまだまだですが、今は自信をもって努力しているといえるので、結果を出せるように頑張っていきたいと思っています。
――トレイルランニングのファンを増やしたいという思いはありますか。
秋山:もちろんです。ただ、いったい何から始めていいのか、わからない方も多いと思います。最低限の持ち物をリスト化して提示したり、山のルールを守るよう呼びかけたり、Instagramに積極的に写真を載せて、競技の様々な話題を伝えるように努力しています。
発信は苦手でしたが、反響も多くなり、いろいろな方と魅力を共有したいと思うようになりました。
――ありがとうございました。最後に、読者の方にメッセージをお願いします。
秋山:私の一番の目標は世界大会で優勝し、世界一になることです。そのために頑張っていますので、応援よろしくお願いいたします。
第1回【「報道カメラマン」「山岳救助隊」を経て「トレイルランニング」のトップ選手に 「秋山穂乃果」が語る過酷なレース事情「大事なのは命が一番ということ」】では、トレイルランニング日本代表の秋山穂乃果選手に、現在に至るまでの経緯や、女子3位という快挙を成し遂げた「Tarawera Ultra-Trail by UTMB」の様子などについて伺っています。
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