「米国は十分な準備をせずに攻撃開始した可能性が」 トランプ氏の元側近が明かす 地上軍投入は避けられない?
安倍元首相が築いた基盤の恩恵
3月末にはトランプ氏の訪中が予定されたものの、その準備が混乱しているとの報道もあります(17日、「1カ月延期」要請の報道)。トランプ氏が米中首脳会談で狙うのは、「史上最大規模の貿易ディール」です。トランプ氏は第1期の任期中にも中国との「ビッグディール」を追求しましたが、実現には至りませんでした。中国側が農産物購入の約束を履行せず、不公正な貿易慣行の是正も進まなかったのです。
準備不足や他の優先課題を踏まえると、今回の米中首脳会談で“ディール”が成立する可能性は現時点では低いといえるでしょう。現状では米中の立場の隔たりは依然として大きく、中国との貿易協定を成立させるためにトランプ氏が台湾を巡って譲歩するリスクは、以前に比べ大きく低下しているとみられます。
トランプ氏は、日本や韓国の指導者とおおむね良好な関係を築いています。特に日本との関係について言えば、安倍晋三元首相が築いた基盤の恩恵が大きい。高市早苗首相は安倍氏の系譜に連なる政治家ですから。仮にトランプ氏自身が一部の政策で方向転換したとしても、米議会や国家全体の対日関係が大きく変わることはありません。
バイデン政権下で合意した日米韓の3カ国共同訓練が、今も継続されているのは歓迎すべき点です。トランプ氏はこれまでも欧州諸国に防衛費の増額を強く求めてきました。中国を取り囲む東アジアからインド太平洋に至る同盟国や友好国が防衛費を増やすことは、極めて理にかなっています。高市政権は防衛費増額を前倒しし、安全保障政策でより積極的な姿勢であると、トランプ氏に明確に示さねばなりません。
政権内で混乱が起きている可能性
政権内部には、J・D・ヴァンス副大統領をはじめ、自国の利益を優先し、他国への関与を避ける孤立主義的な人物が少なくない。当初から彼らは、イランへの軍事行動には反対していました。そもそも、彼らは戦争そのものに否定的です。こうした事情から、政権内では混乱が起きている可能性があります。
またトランプ政権は攻撃に先立って、その正当性について米国民や議会、さらには同盟国に対して十分な説明を行ってきませんでした。MAGA支持層の多くが孤立主義的傾向を持つこともあり、これもトランプ氏特有の政治的な難題といえます。
このまま戦争の正当性が十分に示されないまま、イランでの軍事作戦が長期化して米軍の犠牲者が増えれば、戦争反対の声はさらに強まります。しかし、ホルムズ海峡の封鎖が解除され、原油価格が落ち着いて市場が安定すれば、最終的には中間選挙の主要争点にはならないはずです。
[3/3ページ]

