色紙にマーカーで“一発描き”する動画に「凄い!」…「生成AI」「デジタル作画」全盛の時代に“アナログ画材”が再評価される納得の理由

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外国人の関心も高まる

 トゥーマーカープロダクツには、グループ会社に「トゥールズ」という画材店がある。パソコンが普及する前と比べれば、アナログで描く人の数は減っているはずだが、イラストを描くために使われる色紙の売り上げは堅調という。近年、コミックマーケットなどの同人誌即売会で色紙を販売する人が多く見られるようになり、海外では漫画家のサイン色紙のコレクターが増加しているが、そうした背景も影響しているのかもしれない。

 近年、店頭には外国人の姿も増加しているそうだ。その要因として、海外で漫画やアニメが人気になり、それを制作するための画材にも注目が集まっていること挙げられるという。コピックも70か国以上で販売が行われており、輸入品として高価な価格帯でありながら、ジャパンクオリティーの画材として人気が高まっているそうだ。同社にも、フランスからジャーナリストがわざわざ取材に訪れるほどである。

 じわじわと復権しつつあるアナログ。筆者が付き合いのあるベテランの漫画家は、こうした姿勢を歓迎していると話す。

「私はデジタルがどうしても苦手で、アナログしかできないんですよ。だからコピックなどの画材が残ってくれているのを、嬉しく思っています。スクリーントーンも廃版になるのではないかと心配していましたが、若い世代も使ってくれたら、今後も残るかもしれません。それなら、私もまだまだ漫画を描くことができそうです」

 世代を超えて創作や表現が楽しめるのも、アナログの醍醐味なのかもしれない。

第2回【「アナログ画材」復権の背景に“経済格差”と“地域格差” スマホはあってもパソコンを持たない家庭環境も一因か…あえてアナログで絵を描き始めるメリットも】では、デジタル全盛の現在、なぜアナログ画材に注目が集まるのかについて、経済、地域という二つのキーワードを軸にその理由を深掘りします。

ライター・山内貴範

デイリー新潮編集部

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