色紙にマーカーで“一発描き”する動画に「凄い!」…「生成AI」「デジタル作画」全盛の時代に“アナログ画材”が再評価される納得の理由

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デジタルに慣れた人もアナログを使う

 また、さいとうなおき氏も一発描きのコツをまとめた動画を公開しており、6万回以上再生されている。一発描きはイラストに関心のある子供たちにとって憧れであるだけでなく、ベテランのクリエイターが楽しんでいる例もみられるようだ。

「デジタルツールに慣れた方も、簡単にやり直しができないアナログの“一発勝負”を楽しんでいるという声はよく聞きます。また、昔はアナログだったけれど、今は仕事でデジタルを使っているという作家さんからは、“久しぶりのアナログ画材は楽しい”という感想をいただきます。

 アナログ画材には、発色のよさ、手触り、ペンの音など、五感で楽しむことができる部分もあり、デジタルとは異なる独自の重みや表現力があります。何より、作品には一点ものとしての希少価値も生まれます。作画する楽しさはもちろん、一点物を鑑賞するという拡がりもあるため、アナログの魅力が見直されているのではないでしょうか」(トゥーマーカープロダクツの広報担当者)

建築家やデザイナーには愛用者が多い

 漫画やアニメのブームの広がりで、子供たちの間にもイラストを描くことへの関心が高まっている。アナログの魅力は、パソコンやタブレットなどのデジタル機器が不要で、誰でも手軽に始められることにある。トゥーマーカープロダクツは、10代の女の子が読む少女漫画雑誌が主催するイベントにも出展したりしているが、反響が大きいそうである。

 また、デジタル化が進んでいそうなプロの現場でも、コピックは根強い人気を誇る。今や漫画家は約90%がデジタルで制作しているといわれるが、カラーの色紙を求められたときのために、コピックを常備している人は多い。また、個人的な印象では、建築家やデザイナーには愛用者が多い印象だ。トゥーマーカープロダクツの広報担当者がこう話す。

「おそらく、デザインや建築系の学校の授業で使用されていることが大きいのではと思います。私自身もプロダクトデザイン学科出身ですが、実際に授業でコピックを使用していました。5色ほどを使用して奥行きの表現や影の付け方を学び、授業では自分のイメージするプロダクトの発表をしていました。

 当時教えてくださった先生も自動車メーカーで仕事をしていたそうで、コピックを使ってサラサラっとデザイン画を描いていました。そのほかにも、最近ある建築業社さんのCMにコピックが映っているのを見ました。CM制作側の狙いとして、手で描くことは真摯に仕事に取り組んでいる印象を視聴者に与える意図があるのではと、個人的に思いました」

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