清原和博が満塁火消し、岡本和真は延長戦へ…センバツで投げた名選手列伝

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 第98回選抜高校野球大会が3月19日に開幕する。今年も横浜・織田翔希、山梨学院・菰田陽生、沖縄尚学・末吉良丞の好投手“BIG3”が注目を集めているが、過去の大会では、本職ではなかったものの、後のプロ野球界のスターたちもセンバツのマウンドに上がっている。【久保田龍雄/ライター】

清原のほうが直球に伸びがあった

 満塁のピンチにリリーフし、打者5人をパーフェクトに抑えたのが、PL学園時代の清原和博だ。1985年の1回戦・浜松商戦で、清原は投打にわたって主役になった。まず3対1の5回無死、浜崎淳から右中間ラッキーゾーンに甲子園通算8号となるソロを放つ。

 中学時代に浜松シニアのエースだった浜崎は、奇しくも清原が岸和田シニアのエース・4番時代に、全国大会決勝で中前安打1本に抑えられて敗れた因縁の相手だった。対戦前に清原が「浜松シニアに負けて悔しい思いをした」と話していることを知った浜崎は、中学時代に投げていなかった「彼のデータにない」スライダーで“返り討ち”を狙った。

 だが、清原は最初の打席でそのスライダーを見逃して三振に倒れると、この打席ではスライダーに的を絞り、3年前の雪辱を果たした。後年、浜崎氏は「今思えば、1打席目で一番得意なスライダーを見られてしまった。打席の構えを見たときから、凄さはわかっていたのですが…... 」と回想している。

 さらに9対1とリードの8回、エース・桑田真澄をリリーフした小林克也が1死満塁のピンチを招くと、「小さい頃からの夢だった」甲子園初マウンドが実現する。「ピッチャー、清原君」の場内アナウンスに、スタンドも湧いた。

 背番号3のリリーフは、全盛時の江川卓を思わせるダイナミックなフォームから威力のある直球とカーブを投げ分け、後続2者を右飛と投ゴロに打ち取って無失点で切り抜けた。この日は桑田が初戦の緊張で力み、直球、変化球ともに切れを欠いたことから、浜松商の各打者は「清原のほうが直球に伸びがあった」と証言している。

 そして最終回にはナックルも披露し、1死から2者連続三振でゲームセット。「三振を取るのは本塁打を打つのと同じくらいいい気持ちです」と会心の笑顔を見せた清原だったが、「でも、僕の出番がないほうがいいんです」と自らの立場をわきまえるコメントも口にしている。

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