「統一教会について知らなかった」 高市首相の主張を「到底信じられない世代」が存在する理由
親はサタン
むろん真理を求める気持ちは誰も否定しない。問題は結果として本人も周囲も不幸になっていくことだ。それゆえ、当時、新聞には「親泣かせの『原理運動』」と題する記事も出ている。
いきなり親をサタン(悪魔)とののしったり、おどすかのような物言いで金を求めたり……この新聞報道を当時の教会は否定していたが、事実だったことはすでに常識であろう。
前述の「週刊新潮」記事から、東大卒業生の父親(58歳・会社監査役)の嘆きの声をご紹介しよう。彼の息子は入信して、渋谷・南平台にある原研の本部に行ってしまったという。
ちなみにこの本部は岸信介元首相、つまり安倍晋三元首相の祖父の公邸だった建物である。この広大な屋敷の中には、全国組織、東京組織、高校組織、東大ホームなどがあり、全国70大学、1000名といわれる会員が交代で“南平台参り”に集まって、常時30人以上の男女が宿泊していた。
会社監査役員氏の息子はリヤカーを引いて回る、今でいう廃品回収業などに汗をかき、稼いだ金を献金に回していたようだ。
都合が悪くなるとサタン呼ばわり
「一昨年の六月、あの子は家を出て南平台に行ったんです。“卒業もしないうちに、そんな宗教活動なんかやって……”といったら、“学資を出してもらわなきゃいいんだろう”てなこというんですよ。“二十何年育てた親に向かってそんな言い方はないだろう”といったら、家を出てっちまいましたよ。(略)
……家へたまに戻って来ると、よく論争するんですが、“サタン”といわれたことは何度もありましたよ。説明できなくなったり、都合の悪いことになるとサタン呼ばわりするんですな。(略)
なんとか彼が卒業した時、こういうんです。“兄ちゃんは卒業する時、洋服買ってもらった。ぼくは修練道場(注・教会の施設)の建設資金が必要なので、洋服のかわりに、その分お金でちょうだい”と。(略)
一万五千円をやると、大喜びでね、ワシづかみにするや、“アリガトウ”といって、すっ飛んで行きましたよ」
こうした息子や娘が入信したことに悩む親たちが結成したのが「被害者父母の会」である。新聞報道でその存在を知った全国の父兄からは、被害を訴える手紙が殺到した。「週刊新潮」の記事にはほかにもこうある。
「『うちの子は北大一年の時に原研に魅了され、学業を放棄して過激な奉仕活動をやるうちに病気になり、現在重体です』という惨たんたる話から、『修練道場の建設資金をせびられ、断ったら親せき知人から計十七万円も寸借してしまった』息子の例など……」
[3/4ページ]



