「統一教会について知らなかった」 高市首相の主張を「到底信じられない世代」が存在する理由
統一教会は“必須教養”だった
一方で、現在50代以上で、ある程度ニュースに関心を持ってきた人にとっては、世界日報も文鮮明氏もすべて「常識」だ。前述の合同結婚式に関する報道が盛り上がっていた頃、統一教会に関する情報はあふれていた。
それだけではない。中高年以上の世代で大学に通った経験を持つ人にとっては、統一教会や彼らの「原理運動」について知っておくことは、自己防衛のための必須教養だった。この経験を持つ世代と持たない世代のギャップは大きいだろう。
1960年代後半~1990年代にかけて、大学、とりわけ国立大学や有名私立大学のキャンパス内では、全国原理研究会、通称「原研」による勧誘が非常に活発だった。近年は「CARP」と名乗る学生団体の勧誘活動が報じられたが、この名称は原理研究会の英語略称である。
むろん何を信じようと、また誰を勧誘しようと自由といえばそれまでなのだが、原研の場合、本来の終着点、すなわち統一教会であることを隠し、洗脳のような手段を用いること、学業の放棄や家族関係の崩壊につながること等々、数々の問題がすでに明るみに出ていた。
全国の大学に食い込んだ「原理主義研究会」
当時の空気を知るために、週刊新潮のバックナンバーを開いてみよう。ご紹介するのは、1967年7月22日号掲載の「東大生二十人の『原理運動』」と題された記事だ(以下、引用部分の出典はすべて同記事)。
「試みに、あなたの知っている大学の先生か学生に、“原研”についてたずねてごらんなさい。『ああ、あれですか』と返事が返って来る。(中略)“全国大学原理研究会”といい、『既存のあらゆる宗教の統一をめざし、宇宙の根本原理を解き明かす』新しい宗教運動のことだそうだ。運動が激し過ぎ、ついには学業放棄や家出をする学生も出て、社会面記事になった。その中には“最高学府”東大の秀才約二十名も含まれている」
この原研(または原理研)のバックに統一教会が存在しているのは、すでに誰もが知るところだった。そして全国の大学で、原研が要注意の対象となっていたことが記事から伝わってくる。都内の私大教授はこのように語っている。
「四月に一年生が入学すると、原研の連中は猛烈な“学内伝道”をやる。新入生ほど感化されやすい。夏休前の試験答案を見ると“この学生は入信したな”というのはすぐわかる。答案の結論に、必ず”統一原理“をうたっているからだ」
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