盗んだ1600万円で豪遊の「中1男子」 接近した「夜の世界の大人たち」と「消えた1000万円」の謎【昭和の衝撃事件】

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デートクラブに電話をかけたら

第1回【中1男子が「1600万円」を盗んだ昭和の衝撃事件 新潟でスキー、デートクラブ利用、スーツ姿で歌舞伎町サウナの「豪遊ぶり」】を読む

 70年代後半から80年代にかけて、子供たちの校内暴力と非行が社会問題として大きく注目された。現在のいじめによる暴力とは要因の性質が異なるものの、環境によって子供の人生が容易に左右される事実は変わらない。1983年、東京で1600万円を盗んだ13歳の事件も、子供と大人の関係を見つめ直す好例だったといえるだろう。

 手にした1600万円で新潟に向かった少年は、約3週間もスキーに明け暮れた。そして東京に戻り、デートクラブに電話をかけたことである種の大人たちの興味を引く。ついに対面した少年と大人たちは、いったいどこで何をしたのか。少年がコインロッカーに預けた現金1000万円はどこに消えたのか――。「週刊新潮」のバックナンバーで顛末を振り返る。

(全2回の第2回:以下、「週刊新潮」1983年4月21日号「豪遊『中学1年生』が盗んだ1600万円をめぐる『綺譚』」を再編集しました)

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普通の会社員が選ばないスーツ

 デートクラブで紹介された18歳の女性Eと一晩を過ごした少年は、翌日の3月2日、デートクラブ経営者のCと地下鉄・赤坂見附駅で待ち合わせることになった。

「少年はEと出かけ、途中で身の回りの品を買ってやった。Eに『いくら持っているの』と聞かれ、1000万円の金を見せた。そして、その金を赤坂見附駅のコインロッカーへ入れ、改札口でEと別れ、駅前で待っていたCと落ち合い、Cの車で新宿方面へ向かった」(捜査関係者)

 少年はホテルセンチュリーハイアットにチェックインすると、四谷で「ママさん」と「ママさん」の女友達、Cの男友達と合流した。そして、ジャンパー姿だった少年をドレスアップさせることで話が決まった。

 新宿の洋品店の店員によると、

「あの少年がウチに来たのは、3月2日の夕方、5時半か6時ごろだったように思います。少年のほかに、女性2人、男性2人の連れがいました。女性のうち1人は中年で、毛皮のショートコートを着ていました。もう1人は若くて、18、9歳くらい。スラーッとした、まあまあの美人でしたね。連れの男性2人は一見して夜の仕事関係で、そのうちの1人が少年に向かって『あれがいい、これがいい』とパッパと決めていました。見た感じ、親が子供にスーツを買ってやる様な雰囲気でしたね」

 買い物は、シルクのような光沢のあるグレーのスリーピース(3万3600円)、黒の革靴1足(7000円)。ネクタイ、ワイシャツ等々。

「スーツは、どう見ても普通の会社員じゃ選ばない品物でした。うちで使った金額は全部で5万円程度じゃないですか。少年は中学1年ということですが、高校生ぐらいには見えましたよ」

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