錦糸町に敗れた「両国」の悲運 “快速停車”を逃し長い低迷…今春はじまる巻き返し策の総仕上げ

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さらなる巻き返し案

 3番線ホームを活用したイベント開催は、どうしても土日祝日に偏在する。稼働率を考えれば効率的とは言えない。JR東日本は2018年から両国駅発着のサイクルトレイン「BOSO BICYCLE BASE(B.B.BASE)」の運行を開始し、積極的に有効活用を図ろうとしている。

 同列車は輪行ブームに目をつけたJR東日本による需要掘り起こしという試みだった。房総エリアはツーリストの間で人気が高く、それゆえにB.B.BASEは年を経るごとに運行範囲を拡大。また、停車駅を追加してツーリングコースのバリエーションも増やしたことにより、手堅い人気となっている。

 さらにJR東日本は2013年に両国駅の隣接地に“新”両国広小路ともいうべきオープンスペースを開設している。

 江戸時代、市中のあちこちに公共空間として広小路が開設された。広小路は火災時の延焼防止といった防災機能や人が集まる集会機能などを内包している。江戸には上野広小路や浅草広小路など複数の広小路が設定されている。

 隅田川の東岸にも両国広小路が設けられている。両国広小路は江戸三大広小路とも呼ばれる名所で、現在の中央区東日本橋に所在していた。しかし、それらは都市化の進展によって姿を消した。

 新たに誕生した両国広小路は、墨田区・観光協会・NPO・地元の民間企業など官民によるイベントを盛んに実施。JR東日本は遊休空間を地域に貸し出すことで、両国のにぎわいの側面支援に努める。

 間もなく迎える江戸東京博物館のリニューアルオープンは、長らく錦糸町の後塵を拝してきた両国が巻き返しを図るための総仕上げでもある。

小川裕夫/フリーランスライター

デイリー新潮編集部

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