志田未来、松嶋菜々子、戸田恵梨香…冬ドラマを制した女優たちの「演技力」と「ハマリ役」

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出るべくして出てきた「鳴海唯」

 井上真央(39)は本格ミステリーであるテレ朝「再会~Silent Truth~」(火曜午後9時)で、ヒロインの岩本万季子に扮している。バツイチで子持ちの美容院店主だ。

 元夫の清原圭介(瀬戸康史)を含む3人の小学校時代の同級生に気を持たせている。勝手なところもあるから、ネット上では「希代の悪女」と言われている。一方で万季子を応援する声もある。

 井上の勝ちだ。架空の人物に過ぎない万季子に強い実在性を持たせたのだから。井上には力強いというイメージもあるから、自立している万季子はハマリ役だった。

 主演映画「八日目の蝉」(2011年)では幼いころに誘拐された過去を引きずり続け、成人してから不倫に救いを求めるという魔性性のある女性を演じ切っている。

 法廷を舞台にしたヒューマンドラマであるNHK「テミスの不確かな法廷」(火曜午後9時)のヒロインは鳴海唯(27)が演じる弁護士・小野崎乃亜。法廷劇は重苦しくなりがちだが、小野崎の屈託のない表情や小動物のような動きが作品に明るさをもたらしている。鳴海の存在は大きい。

 小野崎は外交官の娘という設定で、どこか品を感じさせ、知的な雰囲気を漂わせている。一方で連続テレビ小説「あんぱん」(2025年度前期)では高知新報の大酒飲み社員・小田琴子を演じた。随分と役柄が違うが、違和感はない。演技力が高いからだ。

 鳴海は笑顔が爽やかで理知的だから、小野崎役はハマった。ここ数年、鳴海の名前は映画・ドラマ制作者の間で期待の人としてよく挙がっていた。デビュー8年目。出るべくして出てきた人である。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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