米中の戦闘機が黄海上で対峙 「台湾侵攻なら北京空爆」と習近平を威嚇したトランプ 李在明は米国に八つ当たり
意趣返しで中国挑発か
――共通の敵を持たない同盟は脆弱、ということですね。
鈴置:その通りです。米韓同盟は寿命が尽きていました。それを何とか表面だけ繕ってきましたが、米中対立の激化で亀裂が一気に露呈したのです。
話がややこしくなったのが「日本」が絡んできたためです。保守系紙の朝鮮日報が「[独自]韓米日合同演習を拒否した軍、米中戦闘機が対峙すると米国に抗議」(2月21日、韓国語版)で、米中対峙の根には米国が提案した日米韓3カ国の空軍合同演習を韓国が拒絶したことがあったと指摘したのです。ポイントを要約します。
・3カ国合同演習を韓国が拒絶したため、米国は日本と2カ国で合同演習を実施した。グアムからのB52を日本の戦闘機が護衛して東シナ海や東海(トンへ、日本海)などを飛び、各種の戦術訓練を共にした。
・同時期に駐韓米軍の戦闘機も飛び立ち西海に向かったため中国軍機と対峙することになったが、日米合同演習に参加したB52をエスコートする目的もあったと思われる。
3カ国合同演習を拒絶された米国が、意趣返しに中国の防空識別圏付近まで在韓米軍機を送った、と思う韓国人読者も出そうです。
もし3カ国合同演習に参加していれば、米軍機の「中国挑発計画」の詳細は事前に入手できたはずです。記事の見出しからは「米国とのスクラムを拒否しておいて、文句だけ言う」韓国軍への批判がにじみ出ています。
なお、国防部は朝鮮日報のこの記事に対し「3カ国合同演習を拒絶したことはない。時期の調整を申し出ただけだ」と弁解しました。しかし、対峙事件に関し散々ウソをついてきただけに、信じる向きは少ないようです。
「中国と戦う決意」なし
「日本」という補助線は韓国にとって危険です。日本は中国から圧力をかけられても――いや、かけられるほど米国と肩を並べて戦う決意を固めていく。一方、韓国は肩を並べるどころか、米国の対中圧迫をしきりに邪魔する。韓国の裏切りが明白になります。
先に引用した朝鮮日報の記事は梨花女子大のパク・ウォンゴン教授の言葉を引用しています。
・米国は韓国の動きを見て「米国側のパートナーの役割を果たしたくない」とのメッセージと受け取るだろう。米軍との合同演習もせず、米軍の単独演習にも抗議する状況が続けば、韓国に軍を置く意味が無くなってしまう。
この記事を書いた記者のように「このままでは米国に見捨てられる」との危機感を高める韓国人も増えています。でも、彼らとても「日本と同様に米国とのスクラムを固め、中国と対峙しよう」とまでは言いません。
やはり、中国が怖いのです。中国と戦う決意を固められぬ韓国人。国論が定まらない以上、韓国の迷走は続くでしょう。
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