「稲葉浩志」と「タッチ」の組み合わせは絶妙なバランス WBC応援歌がバズったワケ

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Netflixのスペシャルムービー

 2026年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)において、大会応援ソングとしてB’zのボーカリスト・稲葉浩志による「タッチ」が選ばれたことが話題になっている。あだち充原作のアニメ「タッチ」の主題歌として大ヒットしたこの曲が、稲葉の声によって新たな命を吹き込まれることになった。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 2月13日には大会の中継を担当するNetflixのスペシャルムービーがYouTube上で公開された。大谷翔平らが登場する過去のWBCのダイジェスト映像に合わせて、稲葉の歌う「タッチ」が流れる。この動画は野球ファンのみならず多くの人に強烈なインパクトを残した。なぜ“稲葉タッチ”はこれだけ話題になったのだろうか。

 まず前提として押さえておかなければならないのが、稲葉浩志という歌手の圧倒的な実力と地位である。B’zは日本の音楽シーンにおいてCDの総売り上げが最多という記録を誇る国民的ロックデュオであり、稲葉はそのボーカルとして30年以上にわたってトップを走り続けてきた。

 その声量、音域の広さ、そして何より声そのものが持つ強烈な個性は、日本のロック史においても別格の存在である。ハスキーかつ艶やかで、力強さと繊細さを兼ね備えたその声は、聴く者の胸を直接えぐるような訴求力を持っている。

 そんな稲葉が、あの「タッチ」を歌う。この組み合わせを聞いた瞬間に多くの人が驚いたはずだ。その意外性こそがバズりの起爆剤になったのは間違いない。

「タッチ」という楽曲自体が持つポテンシャルも見逃せない。原曲は80年代のアニメソングの代表格として長く親しまれてきた国民的ヒット曲である。世代を問わず耳に馴染んでいるメロディーラインと、青春や純粋な思いを感じさせる歌詞は、スポーツの応援という文脈とも相性が良い。そして、今なお高校野球の応援歌として定番になっている。

 野球のイメージが強い曲ではあるが、あくまでも日本に限られたドメスティックな印象が強いものでもある。その曲をあえて野球の世界大会の応援歌として選んで、稲葉というフィルターを通すことで、原曲とは全く異なる温度感と熱量を持った楽曲として生まれ変わった。

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