スカイツリー営業再開 中国では「1か月」閉じ込められたケースも…“本当にあった怖いエレベーター事故”

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世界のエレベーター事故

 世界に目を向けると、杜撰な管理や不運が極限まで重なりより凄惨な事態に至ったケースが散見される。

 2016年、中国の西安でエレベーターに閉じ込められた女性が餓死する事件が起こった。マンションのエレベーターが故障した際、整備担当者が「中に誰もいない」と思い込んで確認を怠り、電源を切って放置。春節を挟んだ約1か月後、修理のために扉を開けると、中で女性が死亡しているのが発見された。壁には助けを求めて爪で引っ掻いたような跡が無数に残っていたという。

 2017年にはスペインの病院で、出産を終えたばかりの女性がストレッチャーで運ばれている最中に悲劇に見舞われた。扉が開いた状態で、カゴが突然上昇を開始し、女性は体半分がカゴの外に残されたまま引きずられる形となり、体が二つに切断され亡くなった。安全であるべき病院で起きたこの凄惨な事故は、世界中に衝撃を与えた。

 また、2018年にアメリカのシカゴで起きたのは、美しい夜景で知られる100階建ての高層ビルでの惨事。ワイヤーの断裂により、エレベーターが84階分を猛スピードで落下。11階付近で間一髪、予備のワイヤーが止まったことで乗客は奇跡的に全員無事生還したが、救出までの3時間、密室の中で死の恐怖と隣り合わせの時間を過ごした。

自分の身を守るために

 このような不測の事態に巻き込まれないために、私たちにできることはあるのだろうか。エレベーターは一度乗り込めば、自分ではコントロールができない。だからこそ、乗る前の「違和感」を見逃さないことが重要、と防災ジャーナリスト。

「普段聞き慣れない金属音や、ガタガタとした不自然な揺れ。あるいは、到着したカゴと床の間に数センチ以上の段差がある。こうした異変を感じたら利用を避けるだけでなく、勇気を持って管理会社へ連絡をしてほしい。それが事故を未然に防ぐことにつながります」(防災ジャーナリスト)

 また、安全性の大きな目安となるのが前述の「戸開走行保護装置」だという。設置済みのエレベーターには、入り口付近や内部に装置設置済みのマークが貼られていることが多いので、確認する習慣をつけたい。

 ただし、2024年時点で全国の設置率は4割に届いていないのが現状だ。装置が未設置の機体も多いからこそ、年に1回法律で義務付けられている「定期検査報告済証」のチェックも欠かせない。有効期限内の表示があるかを確認することは、そのエレベーターが「正しく管理されているか」を判断する基準になる。

「もし閉じ込められても、決してパニックにならないこと。最も危険なのは、自力で扉をこじ開けて外に出ようとすることだ。転落の恐れがあることや、停止していたカゴが急に動き出せば、挟まれて命を落とすリスクがとても高い。まずはすべての行き先階のボタンを押して、非常ボタンやインターフォンで外部に通報した後は、慌てず救助を待つべきです」(同前)

 また、自分がよく使うエレベーターの隅に、水や簡易トイレなどの非常用備蓄ボックスが設置されているかを確認しておくだけでも、いざという時の心構えが変わる。設置されていない場合は、日頃からスマホや水を携帯するように心がけると、万一のときの不安を減らすことができる。

 今や生活に欠かせないエレベーターだが、私たちができる最善の対策は、「機械を過信しすぎない」こと。日頃から「もしも」に備えた意識を持って、安全確認を怠らない。その積み重ねが、いざという時に命を守るカギになる。

取材・文/天野那果

デイリー新潮編集部

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