2026年は「マンション売り抜け」の好機? 売り時を知らせる「3つのポイント」
ポイント2 「居住用財産の3000万円控除」など税制を細かく把握する
マンションの売却の際に、忘れてはいけないのが譲渡益にかかる税金のことである。中古マンション価格の上昇によって、購入時の価格よりも売却価格が高くなり譲渡益が出るケースも少なくない。特に都心の高額マンションでは、「億」を超えるような売却益が出る場合もある。税制を把握しておかないと、せっかく譲渡益が出たのに税負担が大きく実質的な手取り額が大きく減るケースもある。居住用財産の「3000万円控除」と保有期間によって税率が異なる、「短期譲渡」と「長期譲渡」の違いは、ぜひ押さえておきたいポイントだ。
まず居住用財産の3000万円控除を見てみよう。居住用財産を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3000万円まで控除ができる特例がある。適用されれば、譲渡所得税の負担が大幅に軽減されるため、住み替えなどで広く利用されている。主な要件は、「売却した物件が自分の居住用であること」と、「過去2年以内に同様の特例を使っていないこと」、そして「親子や夫婦など特別な関係者への売却でないこと」など。3000万円控除は、住宅ローン控除と併用ができないため、住み替えで住宅ローンを利用する場合、どちらかを選択することになる。
居住用財産の3000万円控除は、夫婦それぞれが持ち分に応じて利用可能で2人合わせると最大6000万円まで控除が可能となる。都心のマンションでは、譲渡益が3000万円を超えるケースも少なくないので自宅マンションを夫婦で共有するメリットは大きい。居住用財産の3000万円控除を利用するためには、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要がある。転勤などで、住めなくなった場合に、期限があることを留意しておきたい。
また、居住用財産を10年超所有して売却する場合、譲渡所得6000万円以下の部分の税率が軽減される。居住用財産の3000万円控除との併用も可能で、長期間にわたり自宅を所有した人の住み替えを支援することにつながっている。
不動産を売却した際の譲渡所得税は、所有期間によって「短期譲渡」と「長期譲渡」に区分され、税率が大きく変わる。所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡」となり、税率は所得税・住民税を合わせて39.63%。一方、5年超の場合は「長期譲渡」となり、税率は20.315%と大幅に低くなる。所有期間の判定は、売却した年の1月1日時点での所有年数で行われるので注意が必要だ。
例えば、2021年4月に購入した物件を2026年12月に売却した場合、2026年1月1日時点では所有期間が5年以下となるため「短期譲渡」となる。都心の大規模タワーマンションの中には、引き渡しから5年経過後に相当数の住戸が売り出されているケースもある。投資用で購入した場合、譲渡益の税率が大きく下がるので当然の動きだろう。ちなみに、晴海フラッグは、2024年1月から順次引き渡しが始まっているので「長期譲渡」に区分されるのは、2030年。この年は、売却に動く人が増えるかもしれない。
ポイント3 シニアの住み替えは「早いほうが良い」
3つ目の視点は、ライフステージの変化など家族の事情だ。子供の成長や独立によって住み替えを選択する人は多い。また、広さや生活利便性など今の住まいの不満を解消するために住み替えを検討する人もいるだろう。こうした住み替えのタイミングは、早いほうが良い。
特に住宅ローンを利用する場合は、住み替えのタイミングが遅くなると住宅ローンが組みにくくなる。また、シニアの住み替えの場合、不要になった家具や衣類の廃棄など引っ越しには相当の体力が必要になる。元気なうちに住み替えの準備をすることをおすすめしたい。
人気エリアのマンション価格が高騰している今なら、広い住居からコンパクトな住居への住み替えや、都心から郊外への住み替えなら金銭的な余裕ができるケースもある。残債のない自宅を売却して、より廉価な住宅を購入できれば、一定の老後資金をつくることも可能だ。資産価値の高いマンションからの住み替えを検討する人にとって、今は絶好のタイミングと言えるかもしれない。
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