“騒音トラブル”に幸せな結末は本当にある…「顔も知らない迷惑な隣人」と対面して変わったのは“自分自身”だった

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今日も元気に走っとるな

 すると、今度は自分こそ謝罪せねばならないのだろうか、という気持ちになったのである。その気持ちが芽生えてから数日後からの3週間は海外へ行ったが、その間一家に謝罪できないことをやきもきするようになった。そして3月に帰国した後、母親と姉弟と外で会った。私はすぐに母親に軽く会釈をし、姉に手を振った。母親は「桜が咲いてきましたね」と私に言ってきた。

 若干緊張しているようにも見えたが、そりゃそうだろう。クレーマー男と今対峙しているのだから。そこで私は頭を下げ「この前はあんな不躾なことを言ってしまい申し訳ありませんでした。これからは好きなだけ走り回ってください。今はまったく気になりません」と伝えた。

 今後、弟も走り回ることが想定されたがそれはどうでも良かった。とにかく自己嫌悪から抜け出したかったのである。この時以来、母親と私は会うと笑顔で挨拶をするようになった。

 1年以上経った現在でも「朝の運動会」は続いているが、正直、気にならなくなったどころか「オッ、今日も元気に走っとるな」と思うようになった。冒頭の「日没」氏が分析するように、顔を合わせることで、印象がガラリと変わったのだ。「謎の騒音一家」が「丁寧な夫婦と、すくすく育つ可愛い姉弟」になった。

もちろん「話せばわかる」ばかりではない

 というわけで、集合住宅の生活音が気になる人は、一度顔を合わせて「少しだけ配慮してもらえますか?」と言うと相手によっては迷惑だと感じる心がス~ッと引いていくかもしれない。

 ただし、一人暮らしの大人が連日宴会三昧だったり、大音量で深夜に音楽をかけたりしている、などの場合は管理会社を通した方がいい。今回の件はあくまでも子どもがかかわっていたので無事着地したが、大人だと何があるかは分からない。

 騒音を巡っては、悲惨な結末を迎えるケースも存在する。1974年に神奈川県で起きた、ピアノの音が原因で殺人事件に発展したケースが有名だ。2021年にも大阪府大東市にあるマンションで、上の階に住む男が下の階の女子大生を失血死させたうえ、部屋に放火した事件もある。顔見知りになることで互いに相手を尊重するケースを今回紹介したが、「話せばわかる!」という相手ばかりではないことは覚えておきたい。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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