松山ケンイチ、ASD・ADHDの裁判官役で魅せる“真摯さ” NHK主演ドラマが揺さぶる「99.9%有罪」の常識

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組織再生の司法ドラマ

 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの特番のため、2週にわたって放送を休んだNHKのドラマが再開される。松山ケンイチ(40)主演の「テミスの不確かな法廷」(火曜午後10時)。社会性と娯楽性、そして感動が絶妙のバランスで配分されたドラマだ。【高堀冬彦/放送コラムニスト、ジャーナリスト】

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 主人公は安堂清春(松山ケンイチ)。任官7年目の裁判官で、群馬県の前橋地裁第一支部に赴任したばかり。周囲には伏せてあるが、13歳の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けた。

 任官してから出した刑事裁判の無罪判決は2件。有罪率は99.9%以上だから、普通じゃない。周囲は安堂の言動も普通じゃないと思っていた。それは本人が一番強く感じていることだった。

 安堂は冗談や嫌味、皮肉が分からない。言葉を真に受ける。安堂が弁護人を裁判官権限で解任したところ、逆に裁判官忌避(安堂の裁判からの排除)を申し立てられそうになり、上司に当たる部長判事・門倉茂(遠藤憲一)から「歴史に名を残したな」と嫌味を言われたが、「ありがとうございます」と礼を言った。

 ほかにも2つ以上のことを同時に出来ない。こだわりも強い。裁判を事務的にこなせない。もっとも、だから安堂の裁判では埋もれてしまいそうな真相があぶり出される。安堂は凄まじいまでの集中力と抜群の記憶力なども持つ。

 司法の在り方を問うドラマである。しかし、司法ドラマが肌に合わない人にも面白いのではないか。普通じゃない安堂が現れたことにより、硬直した組織、堕落した個人が再生していく。共生というものも考えさせる。そもそも普通って何だろう?

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